>  > 【読ム】え!? ソックリ『ラピュタ』の元ネタは?
宇田川敬介の深堀り民俗学

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■シータを助けるパズーは、桃太郎!?


「天空の城ラピュタ」のもう一つのイマジネーションのもとが、インド最古の叙事詩「ラーマーヤナ」、日本の桃太郎伝説の基となった物語である。

ラーマーヤナの最終和(第43話)は、まさに天空の城ラピュタと同じ話であるといってよい。興味のある方は読まれると面白いかもしれない。神の化身として王家に送り込まれた王国の第4皇子パズーは、悪の化身で悪魔に殺さないと約束され、悪行の限りを尽くしていた。パズーは土から生まれたシータ姫と結婚していたが、ムスカにシータを奪われてしまい、サルの国のドーラに協力を仰いで、ムスカの城の中でムスカと対決する。ムスカの頭を何度も吹き飛ばしたり切ったりするが、悪魔と約束しているムスカは死なない。その時にシータは滅びの言葉を唱えながら大砲を撃ち、ムスカを殺してインドの国王になる。

しかし、ラーマーヤナはそれでは終わらない。長い間ムスカに拉致されていたシータに対し、パズーはムスカと関係があったのではないかと疑念を抱く。何度か試して疑いが晴れるが、しかし、シータが双子を生んだ時にまたその疑念が出てきたため、シータは双子を連れて王宮を出て行く。パズーは子供を捜しやっと発見するが、その子供が人間離れした力を持っていることから、やはり悪魔の子ではないかと疑念を抱いてしまう。シータは「私が潔白ならば、大地よ、私の呑み込みなさい」といい、パズーが見た寸感、大地が大きな口を変えてシータを飲み込んでしまった。シータを失ったパズーは驚愕のあまり言葉を失い、悲嘆に暮れ、そして悲しみの中で死んでゆくという話。

まさに天空の城ラピュタと同じストーリー展開であるところがなかなか興味深い。この天空の城ラピュタに関してはラーマーヤナに、ガリバー旅行記が合わさってできたものと考えてまず間違いがないのではないか。

■ラピュタの都市伝説“2つのエンディング”とは?

さて、インターネット上ではラピュタの都市伝説でエンディングが2つあるという話がある。最後に、パズーが農村で静かに暮らすシータに会いにゆくというものである。実際にそのエンディングがあってもおかしくはないのであるが、スタジオジブリはそれを否定しているということである。

私もなんとなく言われるとみたことがあるような気がするのであるが、おぼろげな記憶であり、なおかつビデオなども残っていないために何ともいうことはできない。しかし、上記のようにラーマーヤナなどを知っている人は、そのまま飛んでゆく天空の城の残骸では飽き足りない部分があったのかもしれない。そのあと「パズーとシータは、ラーマーヤナでは不幸な結末になっているが、宮崎駿監督はどう解釈したのか」というような感覚を持ってしまっているのである。

そのような感覚で見れば、このような都市伝説が出てきても何の不思議もない。

結局、何かからイマジネーションが出れば、その元の物語から似たようなイマジネーションを得る人は少なくない。そのために様々な都市伝説がその人の中で生まれてkる鵜ということではないのか。

宮崎駿監督の作品をこのようにほかの物語から見てみると、少々面白くまた見れるのかもしれない。
(宇田川敬介)

※記事は、「ハピズム」より

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