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画像は、『t.A.T.u.』(ユニバーサルミュージック)

■消えた「t.A.T.u.」。あれから十年。

 ロシアのガールズポップデュオ「t.A.T.u.」のミュージックステーション(テレビ朝日)ドタキャン事件から今年でちょうど10年。

 当時、どれだけ多くの人が同性愛者(実際はそうではない)という謳い文句や、日本の女子高生スタイルを真似たファッション、どことなく幼げで艶容な容姿、そして実力ある歌声に魅了されたことだろう。

 1999年にモスクワ出身のリューナとユーリャによって結成され、瞬く間に世界中が注目するアーティストになった「t.A.T.u.」。そこまでは、プロデューサーの目論みどおりであった。しかし、ミュージックステーションをドタキャンしたことだけは、完全に裏目にでたと言わざるを得ない。彼女らとて、悪知恵を絞った悪プロデューサーの犠牲者なのだが、世間からは「とんだわがまま娘」というレッテルを貼られ、強烈なバッシングをうけることになる。「t.A.T.u.」はその後、最後の望みをかけて、2005年『Gomenasai(ごめんなさい)』をリリースするも、もう後戻りはできなかった。

 ただ、『Gomenasai』こそが、彼女らの最高傑作とする声もある。

■実は、カーペンターズが作曲していた『Gomenasai』

「近年のポップスの中でも傑作の部類に入る素晴らしいクオリティの作品です。前作では、ほのかな哀愁を感じさせる暗いダンスポップと抜群な歌唱力が魅力でしたが、本作では楽曲の構成やアレンジなどにさらなる深みが加わり、そして彼女たちの声の表現力も増した。日本での騒ぎを謝った曲ということですが、美しく切ないメロディと歌、そしてリチャード・カーペンターが格調のあるオーケストラアレンジを施した絶品のスローバラードといえるでしょう。僕はこの曲で泣いてしまいました。まさに名曲!」(音楽評論家)

 ……しかし、このような評価も後の祭り。結局日本では、彼女らのアーティストとしての評価より、過激な話題性だけが残ってしまった。生放送のミュージックステーションでは、急遽ミッシェル・ガン・エレファントが曲を追加し、タモリは騒動そのものをギャグにしていたように思えた。歌った後に駆け去っていくのが「Cocco」ならば、歌う前にトンズラするのが「t.A.T.u.」、これが共通するパブリックイメージであろう。2011年、グループを解散し、お互いソロ活動に専念することになる。

■先月、再結成? 動き出す何か

 ところがである。

 誰もが忘れかけていた彼女達が、つい先日の9月27日、ウクライナのキエフで再結成ライブを開催したのだ。

 「t.A.T.u.」の2人も30手前。かつてのような派手さはないかもしれないが、大人の魅力で観客を魅了した。ファンの前で全20曲を歌い、『ALL THE THINGS SHE SAID』や『ALL ABOUT US』など、日本でもよく知られた楽曲も披露された。プレイリストを見ると、全盛期の「t.A.T.u.」を彷彿とさせる選曲が並び、ステージ上で時折涙を拭う仕草からは、2人にとっても感慨深いものがあるのだろうと、察せられる。

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