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画像は「odditycentral」より。Nick Brandt氏が撮影。

 ギリシア神話に登場する「メドューサ」。彼女たちは、見るものすべてを石に変える力を持つ恐ろしい怪物として語り継がれてきたが、この世界にも“飛び込んだだけで、生物を石に変えることができる”力を持つモノがあった。

■像と見まごう死骸を発見

 イギリス人フォトグラファー、ニック・ブラント氏は、タンザニア北部にあるナトロン湖を初めて訪れた際、鳥やコウモリなど、動物の不気味な“像”が岸に沿って並べられている光景にショックを受けたという。

 後に、彼はこれらの像がアルカリ性の湖水によって石灰化してしまった本物の動物の死骸であることを知り、さらなる衝撃を受けたそうだ。

■強アルカリ塩湖「ナトロン湖」とは?

 湖の名の由来である「ナトロン」とは、火山灰中で発生する天然の化合物で、古代エジプト人がミイラをつくる際にも乾燥剤として用いていたという物質だ。

 このナトロン湖、アルカリ度は「9~10.5pH」で「アンモニア」とほぼ同じ。水温は、なんと60℃にまで達するというから、ここに飛び込んで耐えられる動物はほぼいない。ナトロン湖に入った瞬間に、湖水は動物の肉を石に変え、彼らの最後の瞬間はそのままの形で保存されることになるのだ。そう、まるでメドューサを見てしまったかのように。

 こうした危険性から、ナトロン湖周辺に棲む動物は非常に少なく「無脊椎動物」「藻類」「僅かな魚類」のみが、湖の縁に生息することができる生態を持っているという。

 しかし“敵=動物のいない環境”を利用している動物もいるという。それが、フラミンゴだ。彼らは敵がいないことをいいことに、湖周辺に巣を作ることもあるそうだが、これが危険な賭けであるのは言うまでもない。

 危険な湖に誤って飛び込んでしまった動物について、ニック・ブラント氏はこう語っている。

「彼らがどのように死んだのかは不明だが、“反射が激しい”という湖面の特徴が“窓ガラスに鳥が突撃する”のと同じような状況を引き起こしているのかもしれません」

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画像は「odditycentral」より。Nick Brandt氏が撮影。

 また、ナトロン湖の恐ろしさについてもこんなエピソードを残している。

「湖水のソーダ分と塩分は非常に強く、コダック・フィルムの箱などは、数秒で印刷が剥がれてしまったほどです。このソーダ分と塩分が、動物を石灰化し、乾いた状態で完璧に保存しているのです。私はこれらの動物を、生きていた当時のようにポーズを取らせ撮影しました。死してなお生き続けるように……」

 恐ろしくも美しい死後の光景が広がる湖。そんな湖が実際に存在しているのだ。
(おおさわまさき)

※参照:「odditycentral
※Nick Brandt氏の写真集「ACROSS THE RAVAGED LAND

石になった動物写真の数々「YouTube」より

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