神田の空きビルをアート・ジャック

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花房太一

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TAT2013ホームページ」より。神田がアートの町に

■アート・プロジェクト「TAT2013」とは?

 東京藝術大学が主催するイベント「TRANS ARTS TOKYO(以下、TAT)」が10月19日から千代田区神田にある文化施設や空きビルなど複数の会場で開催されている。

 実はこのイベント、今年が初めてではない。昨年は同地区にあった東京電機大学旧校舎で開催されたのだが、今回はさらに大きなスペースを使っての実施とのことで、注目度も高い。


■ズバリ、「TAT2013」はオモシロイのか?


・展示テーマがイイ

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Wikipedia」より。血のメーデー事件

 今年は「一点突破・全面展開」というテーマ。

 「まちと関わる最初の一点を突破すること、そしてそこから広がる全面展開の希望を見いだしていくこと」を目的とすると謳っている。なんだか堅い。

 というのも、この「一点突破・全面展開」は、1960年代の学生運動や反戦運動などの際によく標語にされていた言葉だからだ。権力と対峙するとき、1つ1つ勝ちを積み重ねていけば、いつの日か社会全体を変えることができる……そんな希望とともに叫ばれてきたスローガンである。

 しかし、このスローガンをもって戦った戦士たちの今はどうか。結局、たった1点すら突破できなかったし、もちろん全面的に社会を変えることもできなかった。つまり、希望は打ち砕かれたという暗い歴史がこの言葉に潜んでいるということだ。

 このイベントに参加している多くの若手作家はこの言葉の歴史をちゃんとは知らない。

 ……かくいう筆者も、60年代にはまだ生まれてもいないので、偉そうなことは言えないのだが、あえて表現すると、言葉の歴史を知らずに作っている割には当時の“学生運動っぽさ”が色濃く出ていて、ウソでもタイムスリップしたかのような感覚になれるところが面白い。

 たとえば、神田警察署の裏手にある空きビルの展示風景


 雑然と散らかった部屋の中に、「反原発」を主張する映像作品が現れる。また、その奥には「投石せよ」とプリントされたコンクリートの破片が積み重ねられている。

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 これらは即座に学生運動当時のアジトの風景を思い出させ、まさに普通では味わえない“異空間”を楽しむことができる。

・迷路のような不思議空間がイイ

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隠れ家・隠れ入り口ばかり

 この展示の面白さ、不思議さはそれだけではない。迷路のような展示場なので、作品がどこにあるのかすら非常に見つけづらい(どこに敵が潜んでいるかわからない、学生運動時代を演出しているのか!?)

 さらに、キャプションがない。作品名も作家名も分からない。もちろん作品についての解説もほとんどない!!!

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 また、空きビルを利用している会場では、エレベーターがついているのに使用できない(なぜだ!?)公共性を求められる美術館には必須の「バリアフリー」なんてどこ吹く風。とにかく鑑賞者に対して、“不親切”なのだが、これがまた日常では体験できないような空間で面白い。

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 次のページより、作品をどんどん紹介していこうと思う。

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