>  >  > 王家のゲレンデ!? エジプトに巨大スキー場

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画像は、The Playmaniaより。ドバイのスキー場

 日本で屋内スキー場といえば、今は無き「ザウス(SSAWS)」を思い浮かべる人も少なくないのではなかろうか。バブル全盛期に訪れた空前のスキーブーム。週末のスキー場に向かう高速道路は大渋滞、ホテルは満室、リフトやゴンドラには長蛇の列……。93年、千葉県南船橋に登場したザウスは当時世界最大の屋内スキー場であった。東京湾臨海部に建設されたことから、テレビCMで流れていた「湾岸スキーヤー」というフレーズも流行。なんともナウいではありませんか。

 400億という巨額資金を投じ、技術の粋を集めて建設された夢の施設は、惜しむらくも2002年に閉鎖。翌年解体され、その跡地には大型家具店の「IKEA」が進出している。

 ただ、その画期的な建築技術は、2005年、中東初の屋内スキー場としてアラブ首長国連邦に建設された「スキー・ドバイ」に活かされている。

 そして来年、同じ砂漠気候のエジプトで、スキー場がオープンするという。

■ピラミッドでもミイラでもない、エジプトといえばスキーの時代!?

 北アフリカでスキーといって、ギザのピラミッドを滑降するのも大変エキゾチックではあるが、おそらくそれは実現しないだろう。そう、巨大商業施設に併設した屋内スキー場ができる予定なのだ。その名も、「スキー・エジプト」。

 実はこの計画、2011年より「スキー・ドバイ」や、ドバイに展開する大型ショッピングモールの開発企業である、「マジッド・アルフタイム」グループが、3年越しに準備してきたもので、その幹部連が、エジプトの急速な経済発展を見込み、拡大する市場に参入する機を狙っているとの旨を、「The National」は2011年の5月に報じている。

 国土の9割を砂漠地帯が占めるエジプトにおいて観光収入は、主要収入源の一角であり、エジプト観光省は、従来の遺跡巡り以外に、海外旅行客のニーズにあわせたホテル建設や、新たな観光ニーズの発掘に力を入れている。

「スキー・エジプトは単にスノーパークだけではなく、ドバイに匹敵する斜面を有する予定です。この計画は、44億エジプトポンド(約650億円)のエジプトにおける事業の一部で、我々はすでにエジプト国内で2つのショッピングモールを立ち上げ、実に順調に稼働しています」と、「マジッド・アルフタイム」グループの最高責任者は語る。

「スキー・エジプト」が完成すれば、既存の観光の他に、新たな選択肢が生まれるわけだ。砂漠地のきめ細やかなサンドスキーを楽しんだ後に、本物のスキーを楽しむことだってできるようになるのだ。

 ただ、明るい見通しだけではない。エジプトの観光業界は、反体制運動の開始から今日までに続く政治的混乱によって、大きな打撃を受けている。

 デモが勃発する市街地だけでなく、王家の墓など古代エジプトの遺跡が多数残る国際的な観光地として知られる、エジプト南部ルクソールでは、ホテルの稼働率がピークの25%にまで落ちている。治安の悪化によって、10年には1470万人いた外国人観光客は11年には980万人に減少し、同年の観光収入も88億ドル(8100億円)と、前年から30%急減した。また、今年8月に起きた、エジプト国立博物館の大規模な略奪騒動も記憶に新しいところである。

 政治情勢の悪化について「マジッド・アルフタイム」グループは、「厳しい点も多々あるであろうが、このような事態であるからこそ、エンターテイメントが必要なのであり、小売店などは事業拡大のための重要なポストにつく機会が残っている」とし、「スキー・エジプト」には年間約80万人の集客を見込んでいる、と語った。

 今(NOW)こそ、喜び(WOW)を与える必要があるのだと。

 先行き不安なエジプト情勢のなか、政治と経済は切っても切れないのは言うまでもない。エジプト経済を考えるに、観光産業の衰退をこのまま放置していては何の特にもならない事は誰の目にも明らかである。

 この「スキー・エジプト」プロジェクト、是非に滑らないことを祈るしかなさそうだ。

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