>  > 人間の能力は、遺伝か、環境か? 

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photo by kellynphillong「flickr

 まるで映画のような話である。

【庭に池がある裕福な家庭】で生まれたA氏が、【生活保護を受けながらテレビもない6畳の部屋に住む母子家庭】に生まれたB氏と、出生直後に“取り違え”られてしまっていたことが、60年経ったいま判明した。

 明らかになったきっかけは、“裕福な家庭”に取り違えられたB氏が、父親の介護に協力的ではなかったことだ。

 その態度に、弟らが血縁関係を疑い、相続問題も重なって、親子関係を確認する訴訟を起こした。もちろん、そのバックボーンには、「家族と似ていない」(両氏親族)というのもあったのだろう。

 それにしても、そもそもなぜ“取り違え”が起きてしまったのか?

「今の医療体制なら起きるわけはない。ただ、昭和30年代から40年代は、かなり(取り違えのようなミスが)頻発していたらしいんですね。昭和25年の時は9割が自宅で出産だったんですけど、20年経って昭和45年になると逆転して、9割が病院で生まれるようになった。ベビーブームなどもあって、看護師さんの数が足りなかったり、新生児の識別をどうするかっていうのが確立されていなかったので、取り違えが起きてしまったようですね」

 と西川史子は『サンデージャポン』(TBS)にて分析した。デーブ・スペクターも、「途中で担当する人が変わったのも問題だと思う。今はそれはないから」と当時の体制が未熟だったと指摘する。

 ネットでも、この件が報道されると、多くのスレッドが立つ。

「B氏は不動産会社社長で、A氏はトラック運転手。可哀想すぎる」というA氏への同情的な書き込みから、「現実は救いがない。やはり環境がすべて。つまり、金がすべて」「でも貧乏側に取り違えられた人は自分で働いて定時制高校に通ったんやで。兄2人は中卒で妥協したのに やはり遺伝子の差はある」「裕福な家庭に育った方もたまらん。親兄弟からは疑われて、60歳になって悲惨だったはずの人生を突きつけられて自分の人生否定される。この結末も貧乏の遺伝子か」など、『遺伝で人生が決まるのか? 環境で人生が決まるのか?』という議論に変わっていった。

 では、実際にはどうなのか? 東北学院大学教授の氏家重信氏は、

「顔立ちや体格、体質などが似ているのはたぶん遺伝的な要因のせいだろうが、気質や性格、行動やしぐさ、クセに至る心的な側面については、生活をともにしていることからくる環境的な影響が親子の類似性をつくる。(中略)知能や運動能力が遺伝的な要因に、学力や運動の趣味が環境の影響に多く左右されるらしいことは、容易に推測できる」とHP「教育学講義」に記している。

 つまり、必ずしも「環境がすべて」というわけではないようだが、今回の件のように、さまざまな選択の幅が変わるのは間違いない。そう考えると、『環境で人生が決まる』割合の方が強いのではないだろうか。
(TV Journal編集部)

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