「ムー」編集長・三上丈晴の【ムー的書籍探訪】 第3回

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――「世界の謎と不思議に挑戦する」をコンセプトに掲げ、UFOからUMA、都市伝説、陰謀論……と、さまざまな不思議ジャンルの話題で、読者に驚きと感動を与えてきた学研「ムー」。ここでは、そんな「ムー」を操る三上丈晴編集長が厳選した“マストブック”を紹介しながら、世の中の不思議に深く触れていただきたい。

【Tocana Reader's MustBook No.3】
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『正統「竹内文書」の謎』(ムー・スーパー・ミステリー・ブックス) 

 日本の正史『日本書紀』と神代から大和朝廷の初期のことを書いた『古事記』。ふたつ合わせて「記紀」という。一般に古代日本のことを記した歴史書として扱われている。成立したのは、いずれも8世紀前半である。

 これに対して、記紀以前の古文書として注目される古史古伝(「記紀」とはまったく異なる歴史を伝える文献。学界の主流からは偽書とみなされている)がある。古史古伝には『竹内文書(たけうちもんじょ)』を筆頭に、『九鬼文書(くかみもんじょ)』『上記(うえつふみ)』『東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)』『宮下文書(富士谷文書ともいう)』『秀真伝(ほつまつたえ)』『カタカムナ文献』などが知られる。いずれも、「記紀」には記されていない古代史が書かれており、その源流は超古代にまで遡る。

 とりわけ、『竹内文書』はすごい。古代天皇は天浮船に乗って全世界を巡航し、彼らを崇敬するために、古代の賢者がたちが来日したと語る。ユダヤ教の大預言者モーセやキリスト教のイエス・キリスト、イスラム教のムハンマド、それに仏教の釈迦が渡来し、なかには、日本で一生を終えた者もいるというのだ。実際、青森にはキリストの墓と釈迦の墓、石川県にはモーセの墓がある。

 はたして、『竹内文書』の内容は事実なのか。当然ながら、アカデミズムは、これを真っ向から否定する。後世に書かれた偽書だというのだ。古代史なのに、文中に現代の地名や名称が出てくるなど、多くの矛盾点が指摘されている。そもそも、神代文字で書かれていたという超古代の伝承を平群真鳥が漢字に改めたとされているのに、現代に伝わる『竹内文書』の原典が神代文字で記されているのはおかしいという指摘もある。

 こうした疑問に対して、ひとつの答えを出したのが本書『正統「竹内文書」の謎』である。曰く、今知られている『竹内文書』は偽書だが、それとは別に本物の『竹内文書』、すなわち『正統竹内文書』が存在するというのだ。しかも、それを伝承しているのが、ほかならぬ本書の著者、竹内睦泰氏なのである。

 彼は表向きは予備校の教師だが、裏の顔は古神道本庁代表であり、その正体は73世・武内宿弥であるという。武内宿弥とは第12代・景行天皇から第16代・仁徳天皇にまで使えた伝説の人物で、一説に360歳という長寿だったとされる。あまりの長寿ゆえ、実在を疑問視する向きもあるのだが、竹内氏によれば、答えは簡単、実際の武内宿弥はひとりではなく、何人もいるのだという。歌舞伎や相撲などのように、代々、武内宿弥という名前を襲名してきた人間が複数存在し、竹内睦泰氏は、その73代目なのだ。

『正統竹内文書』は代々、武内宿弥が継承してきたもので、そこにはアカデミズムが指摘するような現代の地名や歴史上の人物の年齢矛盾などがないというのだ。

 では、そこには何が書かれているのだろうか。歴史上初めて、『正統竹内文書』の内容を公開したのが、本書である。具体的な内容については読んでいただくとして、ひとつだけ紹介するとすれば、それはキリストの渡来伝承だろう。日本で死んではいないが、確かに、イエス・キリストはやってきたというのだ。

 知的好奇心を満足させてくれる一冊である。

●三上丈晴(みかみ・たけはる)
1968年、青森県生まれ。学研「ムー」の5代目編集長。筑波大学を卒業後、学習研究社(現・学研)に入社。「歴史群像」編集部を経て、入社1年目より「ムー」編集部に所属。

●「ムー」
出版社:学研パブリッシング/発売日:毎月9日/税込価格:670〜690円/発行部数:7万部/概要:「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン」として、UFOや超能力、UMA、怪奇現象、オーパーツ、陰謀論など、オカルト全般を追求する情報誌。
公式HP<http://gakken-publishing.jp/mu/

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