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「ムー」編集長・三上丈晴の【ムー的書籍探訪】 第5回

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三上丈晴

――「世界の謎と不思議に挑戦する」をコンセプトに掲げ、UFOからUMA、都市伝説、陰謀論……と、さまざまな不思議ジャンルの話題で、読者に驚きと感動を与えてきた学研「ムー」。ここでは、そんな「ムー」を操る三上丈晴編集長が厳選した“マストブック”を紹介しながら、世の中の不思議に深く触れていただきたい。

【Tocana Reader's MustBook No.5】
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『失われた地球生命体「ガイア」の謎』(ムー・スーパーミステリー・ブックス) 


「母なる地球を救え」とは、環境問題のスローガンとして、これまで多くの人が口にしてきた。地球は生きている。環境を破壊している人間は地球を痛めつけている。もっと地球にやさしい生き方をしよう。今日、環境問題に取り組むことは企業の責務であり、国際的にも重要なテーマとみなされている。

 しかし、専門家たちは大きな声ではいわないが、環境問題の裏に隠された矛盾に気づいている。「環境」とは、いったいだれにとっての「環境」なのか。今日の環境問題は、つきつめると「人間にとっていい環境」を保つことにある。ヒト以外の動物や植物にとっていい環境を追求するものではない。ましてや、地球にとっていい環境を実現するものではない。文字通り、エコロジーはエゴロジーにほかならないのだ。

 もし、地球が本当に生きているとしたら、どうだろう。元NASAの研究員だったジェームズ・ラヴロックは地球の生態系を分析し、そこに自己調節機能があることに気づいた。生物と同様、恒常性を保っている。温度や湿度、大気組成など、すべてが生物の生存に有利な値になるように調整されている。しかも、恒常性を保たせているのが、生物そのものであるという。このような生態系を説明するために、彼は「地球生命圏」という概念を提唱し、ギリシア神話の大地母神にちなんで「ガイア理論」と名づけた。

 地球生命圏ガイアは、環境問題を語るとき、あたかも人格を備えた地球生命体という幻想を生みだす。ラヴロックは純粋にバイオスフィアという概念でガイアと名づけたが、名前がひとり歩きし、先の「生きている地球」という標語の科学的裏づけとして語られるまでになる。

 外と内に境界があり、エネルギーや物質のやり取りを行うモノ。それが生物の定義である。遺伝子の有無は関係ない。地球もまた、エネルギーや物質的に開放系であり、エントロピーは増大しない。その意味で、地球をひとつの生命体とみなすことができる。

 だが、地球生命体ガイア説に関しては批判も少なくない。生物の大原則として、生物は生物から生まれる。地球が生物ならば、必ず親がいるはずだ。地球は太陽を中心とするガス円盤の塵が集積することで形成されたという定説からすれば、おかしいというわけだ。

 しかし、これをクリアする仮説がある。ヴェリコフスキー理論である。イマヌエル・ヴェリコフスキーによれば、金星は木星から誕生した。今から4000年前、木星が大爆発をしたときに巨大彗星として金星は生まれたのだという。金星と双子星とも形容される地球は、どうか。地球もまた、木星から誕生した可能性は十分ある。つまり、ヴェリコフスキー理論を拡大解釈すれば、地球にとっての母親は木星だということになる。

 さらにいえば、地球がもし女性ならば、いずれ子供を産むかもしれない。はたして、どんな状況になるのかは想像できないが、ひょっとしたら、すでに陣痛が始まっているのかもしれない。産みの苦しみに地球が身悶えるとき、環境は激変するだろう。昨今の異常気象や気候変動は、その前触れかもしれない。本格的な異変が起こったとき、人類は、それでも地球を救えと叫ぶのだろうか。この本は、地球と人類のあり方を考えるとき、重要な示唆を与えてくれる一冊である。

●三上丈晴(みかみ・たけはる)
1968年、青森県生まれ。学研「ムー」の5代目編集長。筑波大学を卒業後、学習研究社(現・学研)に入社。「歴史群像」編集部を経て、入社1年目より「ムー」編集部に所属。

●「ムー」
出版社:学研パブリッシング/発売日:毎月9日/税込価格:670〜690円/発行部数:7万部/概要:「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン」として、UFOや超能力、UMA、怪奇現象、オーパーツ、陰謀論など、オカルト全般を追求する情報誌。
公式HP<http://gakken-publishing.jp/mu/

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