>  > 「こころの風邪などありません」 精神科医・林先生のウェブサイト「精神科Q&A」

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画像は、『こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます “こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です』(インプレスコミュニケーションズ)

 "林先生"こと精神科医・林公一氏が1997年に開設したWebサイト「Dr林のこころと脳の相談室」。そのメインコンテンツ「精神科Q&A」は、サイト読者からの"こころ"と"脳"に関する多種多様な質問に林先生がズバッと回答するもので、月間アクセスは150万を超える人気サイト。2013年12月13日には「impress QuickBooks」より電子書籍『こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます“こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です』として発売された。

 まずは、これから紹介する林先生の「Q&A」をご一読いただきたい。筆者が初めてこれを読んだ時は映画『シックス・センス』のラストを観た時ような感覚に襲われ、唖然とした。あの世とこの世の境目を彷徨っているような浮遊感。踏み込んではいけない心の闇を覗いてしまったような背徳感。すぐそこにあるリアルなサイコサスペンス…。


【1087】家の中にストーカーがいます

Q: 38歳の弟のことです。
もう7~8年、定職に付かず家にいます。
以前から、姉である私に対して、幼稚な嫌がらせをしたりしていましたが、最近はそれがエスカレートしております。
私の部屋と弟の部屋は、本来続き間ですが、襖を閉め家具を置くことで分けております。
建具では、壁のような防音効果は無く、お互いの立てる物音が、全て筒抜けになります。
平日の弟は、私が起きる時間より1時間~30分早く、大音量で目覚ましをセットして起きます。
私が起きて階下へ降りると、後から降りてきます。
私が二階へ上がると、直ぐに二階に上がって来て、私の部屋の前で気味の悪い声を上げて笑い、自分の部屋のドアを勢いよく閉めます。
(中略)
他にも、毎日細々とした嫌がらせを沢山受けています。
今は、完全に無視して暮らしていますが、いつまでもこんな事を続けていると、私の方がおかしくなりそうです。
無視していても、何かが弟を激高させて、激しく殴られたり首を絞められたりした事もあります。
家に男性は弟しかおらず、誰もいさめる事ができません。
他に、蚊に刺される事を異常に嫌い、夏は家中蚊取り線香を炊いて歩いています。
これだけの異常行動をするのは、統合失調症などの精神病なのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

A、林: 事実がこのメールの通りだとすれば、あなたのおっしゃるように、弟さんは統合失調症の可能性があると思います。しかし、どうもこのメールの内容は解せないところがあります。弟さんが統合失調症で、あなたに対して何らかの妄想を持っていると仮定しますと、ここに書かれているように、あなたの行動を監視し、いちいちそれに合わせて嫌がらせをするという手の込んだ形は、ちょっと考えにくい行動です。
しかも長い期間に渡ってあなたがそれを無視してそれなりに生活をされているというのも想像しにくいところです。
そして、「○○が自分の行動を監視し、いちいちそれに合わせて嫌がらせをする」というのは、統合失調症の方の典型的な被害妄想の訴えでもあります。
まさかとは思いますが、この「弟」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないと思います。
(以下略)(参照「Dr.林のこころと脳の相談室http://kokoro.squares.net/psyqa1087.htmlより)

……!!! いかがだっただろうか、この衝撃のストーリー。林先生のこの回答はネット上で人気を博し、「まさかとは思いますが、この"弟"とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか」という一文は、「2ちゃんねる」などの掲示板サイトでコピペネタとして用いられるフレーズとなった。

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