STAP細胞「いつでもできるんじゃないのか」「公開すればいいのに」 戦場カメラマンが聞いた、小保方氏会見、現場の声

■割烹着が注目されるとか、正直恐ろしかった。体調も絶不調でした

STAP細胞「いつでもできるんじゃないのか」「公開すればいいのに」 戦場カメラマンが聞いた、小保方氏会見、現場の声の画像3写真:吉田尚弘

 会見は終盤に差し掛かり、様々な質問が記者から投げかけられる。また、小保方氏が世間から注目された理由の一つでもある、割烹着を着て実験を行うという、独特な実験スタイルに関する質問が記者から問いかけられる。

 小保方氏は、

「割烹着は、3年前から着ている。意外な取上げられ方で、正直恐ろしかった」

 まさか、そこのポイントが話題になるとは思わなかった様だ。また、この質問には報道陣も拍子抜けした様で、一瞬だけ現場の空気感が変化したようにも感じた。

 また最近の体調に関する質問の回答には、

「絶不調でした。」

…と、一言。

 具体的な症状は、精神的不安定などの問題や吐き気などがあると答えた。外出に関しても、最近は報道陣が家の周りに待機しているため、自宅から出ることもなく、診断を受けた医師からは、入院をするように言われたとも語った。

 小保方氏は、この会見で終始さえない表情を見せていたが、コメントをする際にところどころ口角が上がり、どこか笑顔に近い表情を見せていたことも写真を撮影する中で非常に印象的に残った部分の一つでもあった。

STAP細胞「いつでもできるんじゃないのか」「公開すればいいのに」 戦場カメラマンが聞いた、小保方氏会見、現場の声の画像4写真:吉田尚弘

 会見は、気がつけば記者会見の予定時間を大幅に超え、記者の質問を遮って終了に至ったのは開始から2時間半後のことだった。

 最後の方は、カメラマンも

「まだやるのかな。弁護士の人、質問終わりだと言いながら、まだ質問振るんだね」

 …と小声で話し合う場面も。

 会見を終え、席を立つ小保方氏は最後に再び「申し訳ありませんでした」と謝罪をあとに、会場のバックヤードにホテルのスタッフに支えられる様にして後にした。

 あまりはっきりと最後まで見えなかったが、立てられた目隠しのための壁を越えると同時に、彼女は体の力が抜けたような仕草もしていた。

 その後も記者たちは、会場に残る弁護士に対し質問を行い、私が外に出た時には既に多くの報道陣がホテルの裏口からの小保方氏の出待ちをしている状況だった。もちろんここでも、周りの一般市民の中には事故の現場と勘違いしている人が多数いた。

 今回の一連の騒動は、世紀の大発見だけに、日本だけでなく世界各国の人々が注目をしていた。もし、STAP細胞の存在が事実であれば、医療界においても期待する思いは大きい。それだけに、捏造の疑惑は世間の、いや世界の大騒動となってしまったのだ。

 STAP細胞の存在が事実であれば、それに越したことはないだろう。小保方氏の、悪意の無い捏造だったとしても、研究者として未熟だと自ら語った以上、彼女は反省をして次に活かしてほしい。また、理研も判断を的確に行い、STAP細胞は事実なのか、それともおとぎ話なのかを判断してほしい。悪意がある捏造か、それとも単なるミスなのか、その事実を知っているのは小保方氏本人しかいないだろう。
(文=吉田尚弘)

■吉田 尚弘(よしだ たかひろ)
1991年7月17日(A型)。愛知県出身。クラーク国際記念高等学校出身。スラムと紛争地を専門的に取材を続け、現地に生きる人々の「リアルな生活」を世界中に発信している完全現場主義のフォトジャーナリスト。現在、書籍の出版を計画中(絶賛・版元探し中!)国内での撮影や講演会などの依頼は、HPから。

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