>  > 究極のB級スポット満載『HELL 地獄の歩き方』=タイ

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初出 日刊サイゾー 2010.11.11

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(c) Kyoichi Tsuzuki

 近年、若い女性を中心にパワースポットめぐりがブームになっている。神様仏様にもすがりたくなる気持ちは分からないでもないが、そんなパワースポットとは真逆をゆく、世界初(!)の地獄の歩き方を記した写真集『HELL』(洋泉社)が発売された。著者は、日本、そして世界のロードサイドに埋もれたアート、カルチャーを追い続けている都築響一氏。そんな都築氏が今回注目したのが、地獄庭園だ。

 地獄とは最強にネガティブな場所、それ以外のなんでもない。しかし世の中には、そんな誰もが絶対に行きたくないスポットNo.1である地獄を、わざわざ手間ヒマかけて再現している人々がいる。彼らはプロのアーティストではなく、地元のコンクリート職人や寺の信者たち、そして時には子どもたちというケースも。まったくの素人ゆえ、"止まりどころを知らない"強烈な地獄の世界が作り上げられているのだ。

 日本をはじめ、世界各国にはさまざまな地獄めぐりスポットはあるものの、そのなかでも群を抜いているのが、微笑みの国・タイだ。タイは国民の約95%が仏教徒というほどの仏教国。在家信者に向けた通俗仏教書と言われる「トイプーム」によると、宇宙には3つの世界(三界)、「欲界」、「色界」、「無色界」がある。「欲界」は、天、人間、阿修羅、餓鬼、畜生、地獄に分かれており、地獄庭園のジオラマもこの三界の説く世界観に基づいている。在家信者が守るべき戒律「五戒」を守らなければ悪いことが待っている、という因果応報観を現しているのだ。

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(c) Kyoichi Tsuzuk
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(c) Kyoichi Tsuzuk

 本書の中には16カ所の地獄庭園が紹介されているが、どの庭園の造形物もグロテクス極まりない。「プレート」と呼ばれる死者の霊、冥界の人間たちが悶え苦しむ姿が、これでもかというほどリアルに表現されている。とくに彼らの目の据わり方、血走り方はハンパない。「こんな地獄に行きたくない」と身が引き締まる思いがするのは確かだが、その強烈なインパクトに腹の底から笑いがこみ上げてくる。

 この本の発売を記念したトークイベントが、青山ブックセンター六本木店で行われた。

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