>  > なぜ、芸人は演技が上手なのか?

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※イメージ画像:Thinkstockより

 『花子とアン』(NHK)にはカンニング竹山、『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)にはアンジャッシュの児嶋一哉、『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)にはドランクドラゴンの塚地武雅……。いまやお笑い芸人がドラマに出演するのは珍しいことではない。芸人の中には、その演技力やキャラクターを評価されて、俳優として映画、ドラマ、舞台で活躍する人が数多く存在している。

 それにしても、彼らはなぜそんなに演技がうまいのだろうか? どうやってその能力を身につけたのだろうか?

 お笑い芸人は、コントや喜劇を演じる際に、何らかの役柄を演じることになる。ただ、その場合の「演技」とは、あくまでも人を笑わせるために存在するものであり、その目的だけに特化した技術である。そこだけを考えると、さまざまな目的に対応した奥深い芝居ができるプロの俳優に対して、プロの芸人がなぜ演技という土俵で対抗できているのか、不思議に感じられるかもしれない。

 だが、ここには1つの秘密がある。ドリフターズの故・いかりや長介は、俳優業を始めた頃、「『演出される』というのが、こんなに心地いいものだとは知らなかった」(いかりや長介著『だめだこりゃ』新潮新書)と感じたという。なぜなら、普段コントをやるときには、自分自身が演じ手であると同時に、演出家であり、脚本家でもあるからだ。ネタを考えて、演出プランを練り、実際に演じる。お笑いのプレーヤーには総合的な能力が求められる。

 それに比べると、俳優は「演技」にだけ専念すればいい。いわば、芸人が全過程を1人でこなす「総合的な仕事」であるのに対して、俳優は1つの分野を究める「専門的な仕事」なのだ。

 もちろん、俳優には俳優なりの専門的な部分もあるだろう。ただ、芸人は演じるということを「自分の仕事の過程のうちの1つ」と見なすことができるという強みがある。芸人は、お笑いという分野では常に「演出家や脚本家の気持ちが分かる俳優」という立場だ。そんな彼らの中に演技力が高い人が多いのは不思議ではないだろう。

 志村けんによると、コントの芝居の極意は「らしく見えること」にある。オーバーな演技やクサい芝居をして「そんなやつはいねえだろ」と思われてはいけない。「いるいる、こういう人」と思わせて見る人の共感を誘っておけば、そこから何をやっても笑ってもらえる。笑いという目的のために、芸人は最短ルートで「それっぽく見える芝居」を身につける。そこにも彼らの演技力の秘密があるのだろう。

 ちなみに、業界内で演技力が高いと評価されている芸人は誰なのか? ある放送作家はこう語る。

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