>  > 完全犯罪が誰でも可能に!?

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美加 リッター

 人間は至る所――指紋、皮膚、毛髪そしてタバコの吸い殻――にDNAを残している。しかし、米国ブルックリンに住むアーティストであり科学者でもあるヘザー・デューイ・ハグボーグ氏と彼女の会社、バイオジェン・フューチャーズ社が、「DNA除去スプレー」の開発に成功した。

 ヘザー・デューイ氏は、当局によってDNAの収集と保存が行われる事をプライバシーへの重大な干渉であると懸念し、人々のプライバシーを保護するために「DNA除去スプレー」の開発に着手していたが、先頃製品化にこぎつけ、6月に99ドルで限定販売すると発表。犯罪を犯した人間がこのスプレーを用いれば、警察の捜査から逃れる事も決して不可能ではなくなるということで、世の注目を集めそうである。


■DNA除去スプレー『インビジブル』とは

 バイオジェン・フューチャーズ社のサイトによると、本製品『インビジブル(Invisible)』は、人間がドアノブ、キーボード、 列車の座席、またはレストランやパブに残したDNAを完璧に消去し、他のDNAと混ぜて読み取れないようにする製品だ。

 1本目のスプレーは「消去(Erase)」と呼ばれるDNAを消去する製品で、殺菌スプレーに似ている。それに対し2本目の「置き換え(Replace)」は、目くらましのスプレーで、元々のDNAの詳細を隠すために別の遺伝子素材を混入するためのものだ。まず1本目で自分のDNAをきれいに拭い去り、その後2本目で取りきれなかったDNAに他のDNAを混ぜて改変し、自分の痕跡を完全に消し去るのだ。必ず2本使用しなければならないということはなく、どちらか1本だけでも状況によっては十分な効果を発揮するという。

dna1.JPG
写真左:消去用スプレー。これは物の表面からDNAの99.95%を取り去るといわれている
写真右:置き換え用スプレー。残った0.05%のDNAに他の遺伝物質を混ぜて改変偽装する
画像は「Daily Mail」より

 同社のサイトは、ジェレミー・グルーバ氏をはじめとする遺伝子の専門家から支持を得ている。グルーバ氏は、「同意もなしに他の人のDNAを取り、その情報を利用することは許されない」と強調し、「未許可のDNAテストとその不正使用に対する懸念が対処されないならば、遺伝子革命は完全には実現しない。このスプレーは、その目標達成のための不可欠なステップである」と語る。

dna2.JPG
去年、 ヘザー・デューイ氏は「ストレンジャー・ビジョン展」を開催。
彼女は公共の場所から収集したDNAを使用し、リアルな3Dの肖像を創作した
画像は「Daily Mail」より

■まき散らされるDNA

 標準的な法医学分析のためには、たった0.5ナノグラムのDNAさえあれば十分とされているが、平均的な人間からは1日約50本の頭髪が抜け、その髪1本には5ナノグラムのDNAが含まれている。また私たちは、頭髪以外にもタバコの吸い殻やガム、さらにコップや食器に付着した唾液を通して、何十億という遺伝情報を日々まき散らしているのだ。

 このような「不注意な破棄」に加え、多くの国家当局は、軽犯罪を犯した者や有罪判決を受けていない逮捕者からも生体試料を集めて日常的に保管しており、その結果、権力によって作成されるDNAデータベースは拡大を続ける一方である。

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