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 皆さんは自らの命を絶つ、ということをほんの少しでも考えたことがあるだろうか。人は耐え切れないほどの苦悩に直面した時、自ら死という道を選ぶことがある。ではそれは人間だけなのだろうか。6月3日付の「THE INDEPENDENT」紙に衝撃的なニュースが掲載されている。それによれば先月、オーストラリアの南部に位置するサウスウェールズにて大量の羊が自殺を図り、死んでしまったという。一体何が起こったのか?

■命を奪う死の野草

 羊たちを自殺に追いやった物の正体は「ダーリンピーズ」で知られている、スワインソナという野草だ。豆科の植物であり主にオーストラリア南部に分布している。紫の可憐な花を咲かせるが、その呼び名や姿に似合わず多くの生物に対して毒とされるアルカロイドを有しており、生物の中枢神経に影響を及ぼすとされている。普段はオーストラリアの南部を中心に、それほど多くは見られないようだが、度重なる山火事により他の草花が焼けた後、急速に増殖しているのだそうだ。

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スワインソナ。別名「ダーリンピーズ」

 サウスウェールズの獣医、ボブ・マッケノン氏は「羊たちは一度この草を食べるとアルコールや薬物中毒患者のように酔ったような行動をとるようになります。また体重の減少も影響し、足がふらつき体を支えられなくなります。そして末期状態に陥ると鬱病と同様、気分が落ち込み自殺行為を行うこともあるのですが、その方法が柱やポールに頭がパックリと割れるまで打ちつけるんです」と証言している。何百匹という羊があちこちで頭を打ちつけて死んでゆくなど想像も出来ない。

 山火事を生き延びた動物たちに襲いかかる死の野草に、マッケノン氏は「治療法がないんです。まるで1,000人のヘロイン中毒患者の面倒を見ているようです。」と取材に対し答えた。

 農場経営者に残された道は、ダーリンピーズから羊を出来るだけ隔離して羊たちの中枢神経の回復を待つのみである。しかしながら末期状態の羊たちに回復の見込みはない。死の恐怖に晒される羊たち同様、農場経営者たちも厳しい状況に立たされているのだ。

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