事件記者が語った「キレる17歳」 ― 母親殺しの闇を埋めた愛用品

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 20世紀最後の年、日本列島は不穏な空気に包まれていた。愛知県豊川市で68歳の主婦を殺害した男子高校生が逮捕されたのを皮切りに、「17歳」による凶行が相次いだのだ。

 乗っ取られたバスの中で、乗客3人が牛刀で切りつけられ1人が死亡した西鉄バスジャック事件に、岡山と山口で連続した母親殺し。犯行に及んだのは、いずれも17歳の少年だった。

 メディアは、同時期に連鎖した少年犯罪をセンセーショナルに報じ、彼らは「キレる17歳」と呼ばれた。だが、大人と少年の間を揺れ動くこの年代の犯罪はこの世代に限った話ではない。

 2007年5月15日早朝、福島県会津若松市の警察署を1人の少年が訪ねた。

「母親を殺した」

 こう話した当時17歳の少年の手にはショルダーバッグが携えられており、中には母親の頭部が入っていた。捜査員が少年の住む市内のアパートに踏み込むと、異様な光景に息をのんだ。

「布団の上には首のない母親の遺体。そのかたわらに置かれた植木鉢には、切断された母親の右腕がささっていた」(事件を取材した大手紙社会部記者)

 少年は市内にある県立高校の3年生。実家は、会津若松市内から車で1時間ほど離れた山間の集落にあった。親元から離れ、市内のアパートで母親と暮らしながら、県下有数の進学校として知られる高校に通っていた。

「古里の中学ではスキーのジャンプ選手として活躍し、学業成績も優秀だった」(同)という少年。環境の変化によるものか、人口5,000人に満たないのどかな田舎町を出てから少年の内面は少しずつ変容していく。

「ホラー映画やインターネットのアングラサイトなどにのめり込み始めた。アパートの少年の本棚には、猟奇殺人をテーマにした漫画『多重人格探偵サイコ』も並んでいたという話だ。学校でも孤立しがちになり、修学旅行などの集団行事にも参加しなくなっていった」(捜査関係者)

 少年は、母親を殺害後、自宅近くのネットカフェに立ち寄っている。出頭までの数時間、1帖半程度の狭い個室であるモノを見て過ごした。

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