生きた筋肉で“ビクンビクン”動く生体マシン「バイオボット」が気持ち悪スゴイ!

■バイオボットには“零号機”があった

 ラシッド・バシャール氏とアベル・ブリス氏は生体ロボット開発の先駆者で、実は2012年にも“歩く”生体ロボットを開発して世間を驚かせている。

 しかし、その時の生体ロボットはネズミの心臓の筋肉(心筋細胞)を使っていたため、コントロールが難しかったという。なぜなら我々の胸に手を当ててみれば明らかなように、心筋細胞は自発的に収縮し常にスイッチ“オン”の状態であるからだ。

 そこで両氏は動物の関節が持つ、筋肉、腱、骨の一体構造に注目して設計を改めることで、新型バイオボット開発の成功に漕ぎつけたのである。この新たなバイオボットは心筋細胞ではなく、骨格筋細胞を培養した筋肉を使っており、電流による制御が容易で操作性がいちだんと向上したのだ。

 両氏は「このバイオボットに“自律センサー”の働きを持たせることが我々のゴールです」と語る。例えば、有毒の物質やガスなどを感知して自発的に起動し、発生源を突き止めて中和剤を撒くなどの任務に就く危機管理ロボットとしての応用も考えられるという。

 ロボットといえば“アシモ”のような全身メカニカルなロボットばかり想像してしまいがちになるが、我々と同じような筋肉で動く生体ロボットの実用化もそう遠くないという事実には驚きを禁じえない。世界で最初に実用化される生体ロボットはいったいどんなものになるのか今から楽しみである。もちろん決して“エヴァ”のように兵器として使われるようなことがあってはならないが。
(文=仲田しんじ)

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