>  > 謎に包まれた「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」

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深笛義也

――日本で実際に起きたショッキングな事件、オカルト事件、B級事件、未解決事件など、前代未聞の【怪事件】を隔週で紹介する…!


【今回の事件 名古屋妊婦切り裂き殺人事件】

 事件が起きたのは、昭和63年。現場で生まれた赤ん坊は、現在26歳になっているはずだ。彼が生まれた時、母親はすぐそばで殺されていた。コタツのコードで首を絞められて……。


■事件のあらまし

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 守屋美律子(当時27)は、臨月の主婦だった。出産予定日を過ぎたことを気にかける夫の昌孝(仮名)は、会社から時間を見つけては電話していた。

 3月18日の昼食後も、昌孝は自宅に電話をかけ、妻の様子に変わりがないことを確かめた。しかし退社前の午後6時50分頃に電話した際、いつもなら3回ほどのコールで受話器を取る妻が、10回鳴らしても出ない。「近くにでも出かけているのだろう」と考えた彼は、特に心配もせずに会社を出た。

 夫婦の住まいは、愛知県名古屋市中川区。名古屋駅から近鉄線に乗り、戸田駅から歩いて5分ほどのアパートの2階だった。

 午後7時40分頃、昌孝が帰宅すると、ドアは施錠されておらず部屋の明かりもついていなかった。不審に思いながらも、寝室でスーツを着替え始めたその時、彼の耳に赤ん坊の泣き声が飛び込んできた。生まれたのか……!!

 居間へと急ぎ電気を点けると、赤ん坊がか細い声で泣いている。その傍らで横たわる妻は、黒いパンティストッキングを着け、ピンクのマタニティドレスがたくし上げられていた。声をかけたが、反応はない。触れてみると、すでに体は冷たくなっていた。首にはコタツから伸びたコードが巻かれていて、両手は後ろ手に縛られている。血溜まりが、広がっていた。

 救急車を呼ぼうとしたが、ダイニングキッチンにあるはずの電話がない。外に飛び出て、階下の住人に事情を話して電話を借りた。

 昌孝は部屋に戻り、改めて妻を見た。みぞおちから下腹部にかけて、切り裂かれている。そこから、赤ん坊は取り出されたのだ。そして、空になった腹の中に、受話器とミッキーマウスのキーホルダーが入れられていた。


■難航する捜査、そして……

 赤ん坊はひざの裏・大腿の裏・股間に傷を負っていたが、その後、手術を受けて命を取り止めた。

 警察が最初に疑いの目を向けたのは、昌孝だった。ドアの鍵が掛かっておらず、明かりも消えていて、出迎えるはずの妻が見当たらないのに、ごく普通に寝室で着替えていたからだ。記者会見の時に『妻が好きだったから』と、グラスに赤ワインを注いで霊前に供えたのも、芝居がかっていると思われた。

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