村上隆や奈良美智に続く?LAを熱狂させる日本人と米国人のアーティスト「kozyndan」 インタビュー

――それぞれ個人で活動するのではなく、1つのチームとしてアーティスト活動する事になったのはナゼ? 

Kozy 当時まだ大学に通ってて、付き合い出して一緒に住み始めたころまではダンとコラボして作品を作った事はなかった。授業の課題作品としてすごく長いパノラマの絵をアパートで描いていた時に、それをDanがスキャンしてコンピュータでデジタルに色付けしたのが最初。

Dan そう、その絵をすごく気に入って、遊び感覚で塗り絵していったんだ。それを見た彼女も楽しくなり一緒になって完成させたら、絵の出来上がりに2人ともすごく満足した。

Kozy すごく楽しい体験だったの。その時は一緒に作品を作った事に対して深くは考えなかったわ。でももう1つ作品を制作する事にして、そしたらそれ以来コラボし続ける様になって現在に至っている。

Dan 元々2人とも漫画やコミックが好きだったりイラストレーションを勉強した共通の下地があったから共同制作にすんなり入っていけたのかもね。

村上隆や奈良美智に続く?LAを熱狂させる日本人と米国人のアーティスト「kozyndan」 インタビューの画像2「kozyndan」の作品。Nakano in Spring。素晴らしい作品なので、もう少し大きいサイズで見てほしい


■村上隆や奈良美智を取り上げた雑誌に認められて…

――アーティストとして自立するのは凄く難しい事だけど、アート・シーンで注目されたきっかけは? 

Kozy 時代やシーン、アートファンなどすごく幸運が重なったと思う。アジアやアジア系アメリカ人のポップカルチャーを扱う『Giant Robot』という雑誌があって、村上や奈良といった日本のアーティストをいち早く取り上げた出版メディアなんだけど。そこがロサンゼルスにアート雑貨店を経営していて、まだ大学在学していた時に遊びにいったらたまたま雑誌の発行者であるエリック・ナカムラがお店でその時働いていて、これまでの作品のサンプルをいくつか持ってたから話しかけてお店のイラストレーションをさせてくれないかとお願いしたの。それからお店用のイラストレーションを制作して完成したものを見せたら彼も気に入ってくれて、雑誌のイラストと店内でのエキシビジョンをオファーしてくれた。お店にとってもそれが初めてのアート・ショーになったの。

Dan 彼はメールリストでショーの事を宣伝してくれて、その中に影響力が高い人達も何人かいたんだ。すぐさまディズニーTVアニメーションの副社長とミーティングをする事になってアニメ番組をオファーされたり、人気バンドのWeezerがライブ音源CDのアート・ワークに使用してくれたり。これ全部が大学卒業して1週間の内に起こった事なんだ! お店でのショーは卒業後2週間目ですごく楽しかった。2人とも自分たちに巻き起こっている事がどんな事か見当もつかなかったけど、ショーを開催して沢山の人達が来て作品がいっぱい売れた。アーティストとしてこんなに早く認められて成功する事が本当に稀なのは、2人ともまだ若くて理解してなかったんだ。でもそれ以来、アーティスト、イラストレーターとしてずっと活動し続けている。


――アートを作り続けるうえでの困難はあるの?

Dan もちろん、そのことについて毎日考えるよ! 時には他のアーティスト達とも話すこともある。思うに多くのアーティストは自己否定に苛まれてばかりなんだ。俺たちは自身に対する最悪の評論家ってこと。創作した作品に対して“最高”だなんて決して思わない。友達のアーティストも同じ事を言ってた「自分自身はサギ師みたいなもんで、たった今にも全ての人にそれが見透かされ、自分のキャリアが終了してしまうかもしれない」。アートを作り続けそれで生計を立ててきたけど、さらに努力してこのまま生活を続けられたら、25年後ぐらいには自分の事をアーティストとしてようやく認められるんじゃないかな。

Kozy 私は自分自身の事をそこまで追いつめてはいない。自分の事をサギ師と思ってしまう感覚自体は理解できるけど、絵を描くことが本当に好きでアートを作る際の手作業に多くの努力をおしまない。崇高な意味での“芸術”を私たちが制作しているかは分からないし、多分バカげたものでしかないのかもね。でも、少なくとも優れた職人だとは思っている。私が心配するのは私たちが歳を取った時、作品自体も時代遅れなものになってしまわないかって事。私たち自身をハッピーにしてくれて、私たちにとって本物の何かを作ろうと頑張っている。それとほんの少しだけど社会的なメッセージをバカげたイメージの中に隠し入れたりもしているの。その事に多くの人が今は気が付かないとは思うけど、未来で振り返った時に色あせないタイムレスな作品である事を願っているわ。

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