>  >  > メス牛に空気を吹き込んで搾乳!

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 牛の肛門から息を吹き込む女性の姿を撮影した動画が話題を呼んでいる。何かの儀式なのか? それとも何かの治療や生殖に関わる施術なのか? あるいは牛への愛情表現なのか……。


■紀元前から伝わる搾乳の技術

「Woman Blows into Cow Anus to Help Boost Milk Yield」 動画は「YouTube」より

 数千年も前から牛と共に暮らしているという東アフリカ・ケニアのこの村では、牛の“後ろの穴”から息を吹き込んで乳の出を良くする技法が伝承され、こうして現在でも行なわれているのだ。

 それにしても、動画で繰り広げられている奇妙な光景には圧倒されるばかりである。ブバババッ、っと派手に音を鳴らしながら何度も息を吹き込み、この刺激で便意を催したのか途中で脱糞する様子も写され、そして実際に搾乳する模様が収録されている。

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18世紀に描かれた南アフリカのコイサン族が行なう“吹き込み”の絵 画像は「Wikipedia」より

 筆者を含め、これを初めて知る者にはあまりにも不可解で、何かの冗談のようにも思えてしまう光景だが、実は遥か古来より牛からなるベく乳を出させる搾乳の技術として世界各地に伝えられている技法なのだ。動画では肛門に息を吹き込んでいるように見えるが、たいていの場合はその下の膣に息を吹き込み性器と子宮を刺激しているようだ(肛門でも効果はあるという)。ちなみに英語では「insufflating(吹き込み)」や「Cow blowing」と呼ばれている。また、この“吹き込み”の歴史を詳細にわたって研究した学術論文が2011年に発表されており、この論文によれば紀元前2,500年頃の古代エジプトの墓に残された絵(レリーフ)に、牛の“吹き込み”を示唆する描写があり、この頃すでに行なわれていたのではないかと言及している。なんとこの“吹き込み”は遥か紀元前から伝わるなんとも壮大なスケールの伝承文化だったのだ。


■忘れ去られるかけがえのない伝承文化

 今や牛乳は“水より安い”などと言われ、手軽に入手できるものになっているが、古代の社会では希少で入手し難いものであったようだ。我々の食生活に牛乳を含む乳製品がこれほど普及しているのも実はここ150年くらいのことで、品種改良の末に誕生したホルスタイン種をほぼ一生の期間にわたって搾乳可能な状態にする技術革新によってもたらされたものである。

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