【奇祭】半裸の20人が一斉にずっこける!! 「神ころばしと七十五膳」
■「神ころばし」と「七十五膳」の意味
そして、神事が終わると、いよいよメインとなる「神ころばし」と「七十五膳」がスタート。いったいどんな形で祭りが行われるのか、固唾を呑んで見守っていると、なんと「神ころばし」と「七十五膳」が同時にスタートした!
「七十五膳」は、神に対して、米、麦、粟、鮎、松茸など膳の上に置かれた75品の農作物を捧げるお祭り。この膳をバケツリレーのように、人の手を伝いながら運んでいく。神様に供えるお膳であるため、私語厳禁はもちろん、口に榊の葉を咥え、息がかからないように徹底している。聞こえてくる音は、「パン」という膳を受け取るときの柏手のみ。よく言えばとても静かな、しかし悪く言えば地味なお祭だ。そして、その横では、勇壮な「神ころばし」が行われている。こちらでは、先ほど水垢離を済ませた20人あまりの男たちが「わっしょい! わっしょい!」と掛け声を上げながらあっちへこっちへと豪快に神様の膳を運んでいる。
柏手を打つだけの静かな「七十五膳」と、20人の男たちによる荒々しい「神ころばし」。わざわざ同時にやらなくてもいいんじゃないだろうか、と素朴な感想を抱くが、両極端な2つの祭りが行われることによって、境内は混沌とした空気に包まれる。1つの膳を運ぶために、団子状になりながら、せっせと膳を運ぶ「神ころばし」の男たち。ファミレスの店員なら1人で2つの膳を一気に運ぶことも珍しくないが、ここでは20人で1膳だ。効率は恐ろしいほどに悪い……。
なお、「神ころばし」の写真を撮影していると、いつの間にか「七十五膳」は終わっていた。地味すぎる!
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