>  >  > 「最も不条理な日本のバラバラ事件3」選出

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※イメージ画像:Thinkstockより

――トカナ人気連載「日本怪事件」シリーズの著者が選ぶ!

 遺体を解体してしまう殺人事件。記録に残っている中では、大正8年の「鈴弁事件」が最初である。そして、昭和7年に玉の井で起きた事件から、「バラバラ殺人」の呼び名が定着する。それから現在まで、バラバラ殺人が起き続けていることは、皆さんご承知の通りだ。

 なぜ遺体をバラバラにするのか。まず、遺体を遺棄、隠蔽しやすくし、犯行を隠すためという理由が多い。また遺体が発見されても、バラバラになっていると、犯行が解明できない場合もある。

 平成6年の「井の頭公園バラバラ殺人事件」では、被害者の特定はできたが、犯人にはたどり着けなかった。また昭和63年の「篠崎ポンプ所女性バラバラ殺人事件」、平成15年の「つくば市男性バラバラ殺人事件」、平成20年の「琵琶湖バラバラ殺人事件」では被害者の身元さえ分かっていない。琵琶湖の事件については、今年9月、警察庁が最高300万円の報奨金をもうけて、被害者の情報の提供を求めている。
 
 またバラバラにされて海に投棄される、山に捨て野生動物に食べられるなどして、遺体が発見されないことも想像できる。毎年、日本で1000名程度出ている行方不明者の中にも、バラバラ殺人の被害者がいるかもしれない。

 その他、遺体をバラバラにする理由としては、相手に対する憎しみ、あるいは猟奇趣味、好奇心などといったものまである。

 今回はその中で、特に不条理な3件のバラバラ殺人を紹介しよう。

【CASE1 首なし娘事件】

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 事件が起きたのは、昭和7年。2月8日の朝、愛知県名古屋市内の鶏糞納屋で見つかった女性の死体は、酸鼻をきわめていた。腐乱していただけでなく、頭部は見当たらず、乳房と下腹部がえぐり取られていた。だが、身元を隠すという意図はなかったようで、残されていた風呂敷包みには、彼女が書いたと思われる数通の封書があり、被害者は岩田ます江(19歳)と判明。封書の宛名は増淵倉吉(43歳)で、内容から2人の親密な関係が伺えた。警察の捜査でも、その前に何度も会っていたことが分かる。
 
 2月11日、犬山城に近い木曽川で、頭蓋骨がむき出しになった頭部が見つかった。眼球がくりぬかれ、毛髪ごと頭皮が剥ぎ取られていた。歯形からます江の頭部だと分かった。


■倉吉が凶行に及んだ経緯

 事件から7年前の昭和元年。倉吉は名古屋で、まんじゅう店で職工長として働き、妻のみやは裁縫教室を開いて生徒を取っていた。その教室に通う1人に、ます江がいた。みやは、昭和6年に風邪で倒れた後、入院して亡くなる。その時に最期までかいがいしく看病していたのが、ます江だった。それがきっかけとなり、倉吉とます江は恋仲になる。

 その時、まんじゅう店を辞めてしまっていた倉吉は、東京に出てやり直そうと考える。また、自分よりも若すぎるます江のことを気遣って、離れていこうという気持ちもあった。打ち明けられたます江は泣いてすがったが、金が出来たら戻ってくると約束して、倉吉は上京した。それが、事件の前年の暮れのことである。
 
 だが毎日のように文通しているうちに、倉吉は矢も盾もたまらなくなり、3週間もしないうちに名古屋に舞い戻る。毎日、昼も夜もなく情交にふけり、倉吉は仕事を探すどころではない。

 倉吉はます江に、一緒に死のうと持ちかける。ます江は一緒に頑張っていこうと言う。その押し問答の末、ます江は「死にたくない、そんなに言うなら別れる」と答えたのだ。

■無理心中の果てに…

 ます江の遺体発見から1カ月近く経った3月5日、犬山橋の近くの掛け茶屋で、首つり死体が見つかった。それを見た船頭は最初、女性の死体だと思ったという。なぜならば、頭から、長い髪が垂れていたからだ。だが、それは倉吉の死体だった。ます江の遺体から剥ぎ取った頭皮を、彼は被っていたのだ。またオーバーコートのポケットには、ます江の眼球が、小屋内の冷蔵庫には乳房と局部がそれぞれ入っていた。

 倉吉が無理心中を行ったことは明らかだった。愛するます江と一体化して死にたいと考え、遺体を解体して、その一部を身にまとって死んだのだ。世界を見渡しても、類を見ない事件である。

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