>  > 吸血鬼のリアルな暮らしを描いた怪作映画

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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」/Shadow Pictures Ltd MMXIV

 闇に隠れて生きるヴァンパイアたちは、普段どんな暮らしをしているのか? 古びた古城の地下室にこもり、深夜に目を覚ます…。中世ならばともかく、現代においてそんな暮らしはありえそうもない。そんな知られざる現代のヴァンパイアたちのリアルな日常にスポットを当てたのが、本作『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』である。2014年トロント国際映画祭、メルボルン国際映画祭、シッチェス映画祭など様々な映画祭で観客賞を総なめにした怪作が2015年1月24日、ついに日本でも公開される。


■あらすじ

 舞台はニュージランド郊外のウェリントンに立つ古いボロ一軒家。その家をシェアして暮らすのは、ムードメーカーのヴィアゴ(379歳)、気はいいが少し短気なディーコン(183歳)、荒っぽいジゴロのヴラド(862歳)、そして3人をヴァンパイアにした長老的存在のピーター(8,000歳)の四人。本作は四人の家に初めてカメラが潜入し、ドキュメンタリーを撮影するPOVのモキュメンタリーとして描かれている。

 本作の監督は『メン・イン・ブラック3』を手がけたジェマイン・クレメントと、ニュージランドではコメディアンとしても知られるタイカ・ワイティティ。2人はそれぞれヴィアゴ(タイカ)、ヴラド(ジェイマン)役としても出演し、世知辛い世の中に生きる現代のヴァンパイアをコミカルに演じている(ジェイマン演ずる「ヴラド」とは、ヴァンパイアのモデルとされるルーマニアの“串刺し公”ヴラド・ツェペシュである)。

 また、本作にはヴァンパイア映画の名作『ロストボーイ』(キーファー・サザーランド主演の青春ヴァンパイア映画)のパロディといった小ネタが随所に盛り込まれており、ホラー映画マニアならニヤリとさせられること請け合いである。


■実際にいる、ヴァンパイア

 ちなみに本作はあくまでフィクションだが、実はアメリカに本当に血を吸うことを生きがいとする女性がいる。ペンシルヴァニア州に暮らすジュリア・ケープルスは15歳のとき、突然吸血の魅力に目覚め、以降30年に渡り毎月2リットル程度の人血を吸っているのだ。そんな彼女はかつて同じ吸血趣味をもつ男性と結婚し「吸血夫婦」として名を馳せたが、子どもが生まれると夫は「もうやめるべきだ」と吸血鬼から引退。

 しかし彼女は吸血が止められず、2人は離婚し、彼女はいまも子育ての傍ら、一人で吸血活動を続けている。とはいえ、彼女は何も本作のようにパブで“獲物”をナンパするわけではなく、普通に募集しているらしい。そして意外なことに「血を吸われてみたい」という人は後を絶たないのだそうだ。ただし一般に人間の血は鉄分を多量に含んでいるため、定期的に吸血(飲血)を繰り返すと、鉄分中毒となり、とても危険だと医師から警告されているそうなので、良い子のみんなはヴァンパイアの真似はしない方がいいだろう。
(文=木林純一)

【作品情報】
シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
公開日:2015年1月24日(土) 新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント
出演:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント、ジョナサン・ブロー、コリ・ゴンザレス=マクエル、スチュー・ラザフォード他
原題:WHAT WE DO IN THE SHADOWS

予告編

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