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渋井哲也

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衆院選

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 12月14日投開票の衆議院議員選挙は与党である自民党と公明党が、326議席(定員475)で改選前の3分2を再び確保した。

 野党では、民主党は11議席増、共産党も13議席増の一方で、維新は1減、次世代は17減、生活が3減。社民は現有の2議席を維持した。結果から見れば、与党と野党の比率は解散前とほぼ変わらない。安部政権の批判票の受け皿として「自民党よりも右」の「次世代」ではなく、「中道」の民主や「左」の共産に流れた。

 ただ、ここで注目したいのは、候補者の立て方次第では、「絶対多数」と呼ばれる3分の2という数字を阻止できた可能性があるということだ。


■「3分の2」とは?

 まず、「3分の2」という数字にはとても大きな意味があるということを知っておきたい。「3分の2」衆議院での全常任委員会で委員長ポストを独占し、各委員会の委員の過半数を確保することができる。また、法案の再可決や憲法改正の発議もできるのだ。


■野党の候補者調整次第で「3分の2」を防げた

 今回は野党が選挙協力をし、候補者調整をした選挙区がある。共産党は全選挙区に候補者をいつもながら立てた。他の野党5党でみると、一本化できた選挙区は295のうち、194。このうち、統一候補の当選は42選挙区あった。ただ、統一候補を立てられても勝率21.6%ということは、選挙協力がうまくいったとは言えないながらも、有権者が「現状維持」を選択したのだ。

 一方で、野党が競合したのは62選挙区あった。それに対し、与党は選挙区で自民党か公明党のどちらかしか立候補していないように、候補者調整はうまくいっていた。例外としては福岡一区。麻生太郎・副総理と、古賀誠・元自民党幹事長の代理戦争となり、自民系無所属候補同士が激突した。結果は、麻生系の候補が当選。公明党はすべての選挙区で当選。62のうち、12の選挙区でしか野党は勝たなかった。

 この野党が競合した選挙区で候補者が一本化していれば、どうなったのだろうか。もちろん、それぞれの政党の支持基盤や支持層が違うので、単純には計算できない。福岡県の11ある選挙区では統一候補が立候補しましたが、野党側は全敗。ただ、仮に、それぞれの候補者の得票を足したとすると、野党候補の当選が35、与党候補の当選が27となります。23議席は増えたことになる。

 加えて、もし、共産党が激戦の選挙区で候補者を立てなかったらどうなったのだろうか? 単純に、共産党候補者への得票数を足すのも現実的ではない。今回の総選挙は、安部政権の批判票が共産党候補者に流れたという見方があるが、それを前提として計算する。そのため、ここでは、「[2014年の総選挙での得票数]―[2012年の総選挙での得票数]」を問題にしようと思う。

 朝日新聞の出口調査によると、都内の25選挙区で投票を行った人のうち、無党派層は26%。前回よりも3ポイント低下。このうち、投票先は自民28%、民主29%、共産20%だった。特に共産党は前回の8%から倍増しています。その結果がそのまま議席数に反映しているように思える。

 たとえば、青森1区だが、今回の結果は、

 津島  淳 自民 66,041
 升田世喜男 維新 62,251
 吉俣  洋 共産 18,274

 前回の共産党(斉藤美緒候補)の得票は11,217。今回と前回の差は、7057票である。共産党の候補者に流れたこの投票数がすべて維新の候補に流れたとして計算すると、69,308票となり、自民候補を上回る。

 また、大阪7区では、

 渡嘉敷奈緒美 自民 81,109
 上西 小百合 維新 67,719
 村口 久美子 共産 38,928

 前回の共産党(石川多枝候補)の得票は21,569。今回との差は、17,359票差。維新の候補の得票数と足すと、85,078票でやはり、当選ラインを超える。

 元総理の菅直人氏の東京18区では、

 土屋正忠 自民 106,143
 菅 直人 民主  89,877
 結城 亮 共産 35,699

 前回の共産党(柳孝義候補)の得票は13,419票。今回との票差は22,280票。菅候補の得票と足すと、112,157票になり、当選。

 ただし、民主党代表の海江田万里候補が出馬していた東京1区では候補者乱立の影響もあって当選しない。

 山田 美樹 自民 107,015
 海江田万里 民主  89,232
 冨田 直樹 共産  32,830

 前回の共産党(同じく冨田候補)は18,763票で、差は14,067票。海江田氏の票と足しても103,299で約4,000票足りない。ただし、惜敗率が96.527%となるため、松原仁候補と菅直人候補の惜敗率(それぞれ96.305%、84.675%)を上回り、議席数には関係しないものの、比例での復活当選ができました。菅候補が小選挙区で当選していれば、現状でも惜敗率2位の海江田氏が3位となるため、復活当選でした。

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コメント

1:匿名親日日本人2014年12月20日 15:51 | 返信

分析は正しいと思いますが、共産党と手を組める政党ってありますか?
あういは、かつて組めた政党ってどこでしょうか?
民主党の中身は社会党。
社会党と共産党って仲悪いですよね。

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