>  > インドネシア主要紙「エアアジア異世界に」

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インドネシアは、世界の摩訶不思議が全て集まった国だ。最先端の技術と古来からの発想が複雑に混ざり合い、インドネシア国民は他に例のない驚きの文化を築き上げた。そんな国にも今、高度経済成長の波が押し寄せている。だが国民が受け継いできた摩訶不思議の宝箱は、様々な怪奇現象を生み出し続けている。そう、今でも――。

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画像は、「tribunnews

 2014年12月28日朝、インドネシア全土に衝撃的なニュースが走った。大手格安航空会社エアアジアの旅客機が、忽然と姿を消したのだ。

 捜索の結果、インドネシア・カリマンタン島沖に墜落したことがわかり、現在墜落原因を巡って「悪天候」「機体への着氷によるエンジントラブル」「未認可運行」などの可能性が挙げられている。

 しかし今回トカナで取り上げたいのは、12月30日明け方、まだ機体は発見されていなかった時期に、インドネシアの魔術師が驚くべき発言をし、さらに大手メディアがその言葉を大きく報じていたことだ。

 2014年は東南アジアの航空会社にとって、まさに厄年であった。マレーシア航空の旅客機の失踪、ウクライナ上空での撃墜はまだ記憶に新しい。同時にインドネシアの魔術師たちにとっては、大きな仕事が立て続いた年でもあった。そう、魔性の国インドネシアではこうした事故や事件が起こる度、世間の目はより優秀な魔術師に向けられるのだ。彼らの超能力が失踪した機体を探し当ててくれると信じている市民が、この国には多く存在する。

 そして今回のエアアジア機失踪に関しても、大手メディアは各地の魔術師に注目した。


■大いなる力を捜索に利用

 エアアジア機の失踪海域にほど近いバンカ・ブリトゥン州在住の魔術師サンティ氏は、トリブンニュースの取材に対しこう語っていた。

「(現場海域と接する)ブリトゥン島には、三つの大きな魔力が渦巻いている。島内の地方であるブディン、バダウ、ムンバロンがその魔力の発信源だ。もし魔力を用いて機体を捜索するのなら、この三地方の魔力を一つに融合させる必要がある」

 まるでRPGのような話だが、このようなことをトリブンニュースが記事にしているという事実に注目していただきたい。このトリブンニュースは零細規模の怪しげなマスメディアなどではなく、インドネシア各地に支社を持つ大手新聞社だ。イギリスの『ザ・サン』のようなタブロイド紙でもない。さらにトリブンニュースはサンティ氏のコメントとして、

もし捜索隊の中に魔力の存在を信じない者がいれば、大いなる力は発揮できないだろう

 と書いている。日本ではまずあり得ない報道だ。


■エアアジア機は異世界へ?

 その後も、メディア間による報道合戦は続いた。

「リプタン6」はインドネシアでは有名な霊能師キ・ジョコ・ボド氏の発言を取り上げた。

「エアアジア機は異世界へ行ったようだ。音信不通になった海域は、この世と異世界の間をつなぐ橋が架かっている」

 しつこいようだが、リプタン6もインドネシアを代表する大手ニュースメディアである。この記事を配信した記者もデスクも、ケレン味だけで仕事はしていないはずだ。インドネシアの魔術師が社会に一定の影響力を持っていることが、これでお分かりだろう。彼らの発言は、市民の関心を集めるのである。

 2015年も、彼らの動向は紙面を大いに賑わせることだろう。
(文=澤田真一)

参照「tribunnews」「liputan6

■澤田真一
フリーライター。経済情報サイト等で執筆多数。日本とインドネシアを往復する生活を送りながら、記事作成や実地調査などの仕事を請け負う。只今、インドネシア関連の執筆及び調査の依頼を受付中。https://www.facebook.com/masakazu.sawada

 澤田真一の「ジャカルタニュース」過去記事は、コチラ

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