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【事件記者が綴る暗黒のアナザーストーリー「悲劇の現象学」シリーズ】

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画像は、thierry ehrmann  Abu Bakr al Baghdadi, painted portrait/from Flickr CC BY 2.0

 欧州全土にテロの脅威が広がっている。

 フランスでの連続テロに、ベルギーで起きたテロ未遂事件。

 引き金となったのは、風刺週刊紙「シャルリー・エブド」のパリ市内の本社が銃撃され、12人が殺害された事件だ。

 テロ実行犯の兄弟は、3日間にわたる逃亡劇の果てに、フランス当局によって射殺された。

 アルジェリア系移民の孤児として育った兄弟は、ともに〝テロリスト予備軍〟として当局にマークされていた。そんななか、注目を集めたのが、弟のシェリフ・クアシ容疑者の素性だ。

 米国によるイラクへの軍事介入が本格化していた2003年ごろからイスラム過激派の思想に傾倒し始めたという同容疑者。2005年には、国際テロ組織「アルカイダ」と米軍との戦闘に参加するため、シリアに渡航しようとして警察に逮捕された。テロリストへの道を歩み続けた一方で、のめり込んだのがラップ・ミュージックだ。

「逮捕された年には、仲間とともにテレビのドキュメンタリー番組に出演している。ルーズなスエットにバギーパンツ、野球帽というラッパー然としたいでたちで、ノリノリでラップする映像が残されていた」(大手紙の外信部記者)

 ラップ・ミュージックといえば、イスラム過激派にとって最大の敵である米国発祥の音楽である。まったくリンクしないようにも見える両者だが、異色の〝テロリストラッパー〟はシェリフ容疑者だけではない。

「フランスのテロにも関わっているといわれているイスラム教スンニ派過激派組織『イスラム国』には、同じような経歴を持つ者が少なくない。たとえば、シリア北部で昨年8月、米国人ジャーナリストを殺害した実行犯もその一人だ」(同)

 ジャーナリストの首を掻き切る様子をインターネットの動画サイトに投稿し、大きな波紋を呼んだこの男。英国ロンドン出身のエジプト系移民で、「Lジニー」「リリシスト・ジン」と名乗り、ラッパーとして活動していた。

動画は、YouTubeよりL Jinny | Warm Up Sessions 

「イスラム国」に欧州各国のラッパーたちが参集した理由の1つとして、1本のビデオの存在も挙げられる。

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