>  >  > 火星に移住した場合、法律はどうなる?

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――「超常法律相談所」では、弁護士資格を持つライターが、不思議なニュースやオカルトの素朴な疑問について、法律的見地から答えを見つけていく。

 将来、日本国民が火星に移住した場合、その人はいかなる法の適用を受けるのであろうか――?

 火星に新たな国家(仮に「火星国」と呼ぶ)が樹立されたとする。(※火星国民は、あくまでも地球から移住した人間という前提。地球外の生命体については本稿では検討の対象外とする)

 火星に移住した日本人が日本国籍を離れて火星国の国籍を取得した場合には(日本国憲法は22条2項で「国籍離脱の自由」を保障している)、その人には火星国の法令が適用されることになる。では、火星に移住した人が日本国籍を保持したままであった場合はどうなるのであろうか?(上述の火星国が樹立された場合と、国家が樹立されていない場合とが考えられる)

 まず日本国憲法が定める基本的人権については、日本国民である以上、普通に保障されるであろう。ただし、火星国が樹立されている場合には、火星国の法令により何らかの制限を受ける可能性がある。

 次に、民事法関係においては、地球上で日本人が外国に移住した場合と同様に考えられる。火星に移住した日本国民が、同じく火星に移住した日本国民と婚姻する場合には日本の法律が適用される。この場合に、この夫婦から生まれた子は火星で生まれても日本国籍を取得する(国籍法2条2号)。そして、火星に移住した日本国民について相続が開始した場合も、我が国の民法によって法律関係が処理される。

 火星に移住した日本国民が火星に移住した外国人と婚姻する場合には、火星国が樹立されていれば火星国の法によって規律されることになると考えられる。この場合に、この夫婦から生まれた子は父が日本国民であれば日本国籍を取得することになるが、火星国の法令により火星国の国籍も取得する(二重国籍)可能性がある。(火星国が樹立されていない場合には、婚姻相手の本国法との関係で二重国籍の問題が生じる可能性がある)

 火星に移住した日本国民について相続が開始した場合も、火星国の法令により法律関係が処理される。(火星国が樹立されていない場合には、我が国の民法により法律関係が処理される可能性がある)

 刑事法関係についてであるが、これも地球上で日本人が外国に移住した場合と同様に考えられる。日本国民が火星で人を殺害すれば、我が国の刑法により殺人罪で処罰されることになるし、日本国民を火星で殺害したものも我が国の刑法により殺人罪で処罰されることになるであろう。

 つまり、火星国が樹立した場合と、されなかった場合でかなり大きな法律の差が出てくるというわけだ。
(文=希 雅祥/ライター)

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