>  >  > ピケティブーム以前から“番組格差構成”

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格差社会

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画像は、『トマ・ピケティの新・資本論』(日経BP社)

 フランスの経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』は世界的なベストセラーとなり、日本国内においても15万部以上を売り上げている。

 ピケティの考え方を解説する書籍など関連作品も発売され、まさしくピケティブームが巻き起こっている。ピケティの考え方そのものには賛否あるものの、世界的に格差社会への関心が高まっていることは紛れもない事実である。

 そんな今、日本のテレビ業界では日本国内の格差をどう捉え、どのような番組作りがおこなわれているのかを聞いて回った。

「ピケティブーム以前から格差社会を意識した番組作りは少しずつではありますが、おこなわれていましたよ」

 こう語ってくれたのは在京キー局の関係者だ。

「テレビ番組を作る際には、それぞれターゲットを明確にしています。たとえば若者や女性など、どんなジャンルの番組であっても必ずターゲットが存在します。以前のターゲットカテゴリは学生や主婦などの立場や年齢でしたが、今は年収によるカテゴリ分けがされることも多くなっています」

 ターゲットの存在は理解できるが、年収によるカテゴライズとは一体どういうことなのか。

「富裕層向けの番組はなかなかありませんが、たとえば貯蓄が数千万円あって生活が苦しくない高齢者をターゲットにしてドラマを作ったり、年収300万円台の男性をターゲットにしたバラエティを作ったり、お金はあるけど愛に飢えている女性をターゲットにしたドラマなど、とにかくターゲット意識の中に“お金”が入ってくるようになりましたね」(同・在京キー局関係者)

 これは何とも生臭い話だが、具体的にはこのようなターゲット意識の中で、どんな番組が作られているのだろうか。

「たとえば海外ロケをおこなう旅バラエティ番組で1泊20万円する部屋を紹介するとします。この場合、以前のやり方であれば『憧れの豪華ホテルに潜入』など、20万円の部屋を下から見上げる形での番組構成が当たり前でした。しかし、今はお金持ちをターゲットにすることもあるので、見上げません。『夏に泊まりたいホテル』などと横から見るような構成にすることもあるんです」(同・在京キー局関係者)

 たしかに憧れながら見てもらうのと当たり前の情報として伝えるのでは、番組の構成は大きく異なるはずだ。あまり気にしていなかったものの、このような番組構成は少しずつ浸透しているらしい。

「ここ数十年の日本は不景気でしたから、お金持ちの生活を覗いて“羨ましい目線”での番組しかなかったのですが、今は豪華な生活を同じ立場から見てもらう番組も増えているんです。やはり格差社会があるので、お金持ちをターゲットにしている番組が増えていると言えます」(同・在京キー局関係者)

 自身は憧れの眼差しで見ているばかりだったが、どうやらその中には番組内のお金持ちと同じ目線で番組を観ている人がいるようだ。その事実もなんとも羨ましい話である。

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