>  > ゆる~いゾンビ映画『インド・オブ・ザ・デッド』

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深沢光太郎

――ホラーマニアが、公開予定のホラー映画を辛口レビュー! 

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© Eros International Ltd 2013

■今回の映画『インド・オブ・ザ・デッド GO GOA GONE』

 インド初のゾンビ映画というふれ込みで日本公開となった本作。まずは大ざっぱなあらすじをご紹介する。 

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© Eros International Ltd 2013

「恋に破れ、仕事につまずいたハルディクとラヴは、友人バニーを無理やり引き込んで、憂さ晴らしに小島のビーチリゾート・ゴアにやって来る。どこかイイ加減でお気楽な青年3人組は、大勢の参加者たちに混じってロシアンマフィア主催のドラッグパーティーに参加する。そこでは新型ドラッグを飲んだ若者たちが、恍惚状態から苦痛に喘ぎ、次々とゾンビ化していった。お金がなくてドラッグを買えなかった3人は、襲ってくるゾンビたちを払いのけ、助けた美女を連れてジャングルへと逃げ込む。そこに車で避難してきたロシアンマフィアの2人と合流する。こうして、小島からの脱出を図るため、マフィアが所有する重火器でゾンビの大群を倒す決心をするのだが――」

■娯楽としてのゾンビ映画

 果たして「落ち込んだ時」におすすめしたいホラー映画などあるだろうか? 信じられないかもしれないが、本作は底抜けに明るいゾンビのホラーコメディ映画なのである。しかもホラーコメディの「ホラー」要素である恐怖感や焦燥感は皆無、さりとて「コメディー」のセンスも決して高尚とは言いがたい。だが、しかし、「楽しい」これに尽きるのだ。そういえば、60年代に大ヒットした植木等の「無責任シリーズ」も能天気に観る映画だった。そんな映画だから観終わった後は何も残っていない。「映画は娯楽。浮世の憂さを忘れるためのもの」。映画がまだ娯楽の王様だと言われた時代のことだ。そんな当時の名言に従えば、本作は仕上がりの良し悪しで評価する映画ではなく、「娯楽」に的を絞った超・娯楽映画なのだ。ゆえに内容から何かを得ようとする映画ファンやホラーマニアにとっては好き嫌いがはっきり分かれるだろう。年間1,000本以上を製作する映画大国インドの観客は、過去も現在も「映画は娯楽の王様」であると受け入れて単純に楽しんでいるのだ。

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■インドがゾンビ映画を作る画期的側面

 そんなインド映画業界も、世界的な映画の流れや動向は見逃していない。CGを駆使したインド発SF超大作『ロボット』(日本公開=11年、以下同)は、世界を視野に入れての製作だった。そうした流れをくんで作られるべくして作られたのが、『インド・オブ・ザ・デッド GO GOA GONE』なのだ。

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 これまでのゾンビは土葬された屍(しかばね)がさまざまな原因で動き出すのが定番だったが、インドの場合、地域によっては水葬だが、大方は火葬にして遺灰をガンジス川に流す風習が根強くある。そのことはインドでゾンビ映画製作を妨げる壁となっていた。しかし、新型ドラッグがゾンビ化の原因だとしたことで問題をクリアできた。ヒントは『バイオハザード』(02年)からだろうと推測される。劇中で3人組がこう言い放つシーンがある。初めてゾンビを見たとき「(ここは)インドだぞ――お化けならまだしも!」「グローバル化だ!」「最初はHIV――今度はゾンビ!」。彼らのひと言ひと言が、インドにおけるゾンビ映画の状況を表している。

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