7月に今世紀最後のヒッピーの大祭典! “グレイトフル・デッド”の魅力をデッドヘッズのSHIN氏に聞いた

 

7月に今世紀最後のヒッピーの大祭典! グレイトフル・デッドの魅力をデッドヘッズのSHIN氏に聞いたの画像4【日本版限定特典付】グレイトフル・デッド・ムーヴィー 」(ヤマハミュージックアンドビジュアルズ)

 当時は、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンといった70年代の音楽から影響を受け、その延長でグレイトフル・デッドを知ることになりました。たまたま入った心斎橋の雑貨店“シュールリアリスティック・ピロー”の店内でグレイトフル・デッドのCDが流れていたんです。すごく雰囲気のあるお店で、そこの店主から“デッドを観に行ってきたらいいのに”と言われ、その場でアメリカに行くことを決意したんです。

 そのすぐあとに、ラジオに送った音源が優勝したという電話があり、「ゆくゆくはソロミュージシャンとしてデビューする方向で」と言われたのですが、その話は断りました。アメリカへ行くにあたっては、日本でインディアンのファッションを無理やりしていましたが、すぐにレニークラビッツになりたくて、肩まで伸びた長髪をスパイラル状にひねり、ベネゼルのホームパーマを当てた。見た目はヘビ女ゴーゴンそっくり(笑)。

■アメリカ到着! ヒッチハイクでデッドショーに

7月に今世紀最後のヒッピーの大祭典! グレイトフル・デッドの魅力をデッドヘッズのSHIN氏に聞いたの画像5セカンドハウス(寝泊まりができる第2の家)であるワーゲンバスで、デッドヘッズ達と共に西海岸のデッドツアーを巡った時の写真。彼らははじめて会う者でも仲間(通称=レインボーファミリー)として迎え入れられる。男女合わせ5人ほどの集団生活では恋愛に発展することもあるが嫉妬やねたみは一切なかったとか


――アメリカで、初めてデッドヘッズに会った時のことを教えてください。

SHIN サンフランシスコのヒッピーとは何か? リアルなグレイトフル・デッドを追い求めて、アメリカに着いた初日。サンフランシスコ国際空港のすぐそばのハイウェイに出たと同時に“ブルルルルン”というフォルクスワーゲン独特のエンジン音がしてきた。しかも、車内からピースサインをしてくる奴がいる。

 あまりの展開の早さから、まさかデッドショーにいるなんてことに自分では気付きもしなかった。コンサート会場までワーゲンで送ってくれた彼らが、デッドヘッズだということもあとで分かったという、極めて自然な形でデッドを体験することになったんです。今、考えると必然であり、吸い寄せられたのでしょう。 なんだ? と思っていると「Are you going to dead show? (デッドショーに行くの?)」と尋ねられた。多分、自分のファッションを見て声をかけてきたのでしょうが、自分でもよく分からないまま、「Yes」と言ってピースをすると、気付けばデッドショーにいました。

 デッドショーでは興奮のあまり、一日中「ここや!ここや!」と日本語で叫んでいました。すると周りのヒッピーたちも「ここや!ここや!」とマネしだして(笑)。日本では誰にも理解されなかったこの俺が、生まれて初めて自分が理解されたと思ったから「ここや!」と。「I was born here!(おれはここで生まれた!)」心からそう思った。

7月に今世紀最後のヒッピーの大祭典! グレイトフル・デッドの魅力をデッドヘッズのSHIN氏に聞いたの画像6ラスベガスのショーで日本から住む妹に送ってもらった、わらじを売っている所。デッドヘッズの間では、ヘンプで編まれた草履が主流だったが、「日本の侍が昔、履いていた」とわらじの説明をすると、よく売れたという


■日本語学校を即中退、ヒッピーと露天で物売り

――どうやって生活していたんですか?

SHIN 当初の計画では、語学を習得するために学校へ入るつもりでいたのですが、教室には日本人ばかりでした。せっかくアメリカまできて、日本人とつるんでしまっては意味がない。それならデッドヘッズと話して英語を学んだ方が手っ取り早いぞ、ということで2~3週間で学校は中退。デッドヘッズたちとの、デッドショーを追う生活が始まりました。

 その頃は、サンフランシスコのアシュビー地区にあったホストファミリーの家を拠点にして動いていたのですが、フリーマーケットもあれば、デッドヘッズがたむろしていたので、彼らと一緒に丸一日なんにも考えず、ヘンプを編んでいるところを横で見て覚えたり、ヒッピーのドレッドはどうなっているんだろうと観察しながら、自分の髪をドレッドにしていきました。

 ちなみに、デッドヘッズのコミュニティーでは、それぞれ自作した物を持ち寄って、トレードをする文化があるのですが、僕は日本から持ってきた5円玉を編んで作ったチョーカーを、ライブチケットなどと交換してもらっていました。アメリカには穴の開いた小銭がないから、珍しがられてよく売れるんですよ。主にそれを売って、サンフランシスコ、オークランド、シアトルのデッドショーを観に行ってました。 あとはフィーモというサイケ柄モチーフの樹脂粘土素材やビーズワークで編まれたヘアビーズがハヤっていたので、それを少しずつデッドヘッズに自分のドレッドにつけてもらったりと、最初はデッドの音楽やコンサートというよりも、デッドヘッズとの交流が楽しくて、一日の大半を彼らと過ごしていました。

 そうこうするうちに、アシュビー地区からバークレーへと拠点を移し、ショーがない時にはバークレー大学内の路上で物を売り、デッドショーがある時は、会場の外の地べたに布を敷いて物を売るようになりました。当時はファッションも音楽もアメリカ中が70年代テイスト一色だったので、バークレー大学の学生もヒッピー文化に影響を受けていたんですよ。

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