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駅前りょかん

 現在55歳。ボランティアという文字を見かけるたびに、毎回、ボブ・ディランと見間違えるほど音楽好きな貧乏漫画家の「駅前りょかん」です。自分語りはイチローに言わせれば格好悪い行為らしいが、筆者は自他共に認める“超”がつくほどの音楽好きだ。中1の終わり頃フォークソングに夢中になると、中2の時には屋台ラーメン屋の“氷運び”で小銭を稼いではライブ会場に足繁く通う日々を送った。大学卒業後は低空飛行漫画家生活を33年間ほど続けてきたが、その傍らでは常に音楽が鳴っていた。

 そしてある時ついに、漫画を描くことよりもライブに行くことの方が好きなことが某音楽雑誌の編集者にバレ、CD評や音楽コラムを半ば強引に連載させられることになった。だから筆者は「貧乏漫画家」だけでなく「音楽ライター」の肩書きも持っていた時期があったのだ。

 そして今、再び全世界的に社会風刺や物語や詞を込めて歌うフォークシンガーたちの存在が音楽業界で見直され始めているのだ。今年、2月にはボブ・ディランがグラミー賞を受賞し、4月にはポール・サイモンのベスト盤がイギリスのレコード売り上げランキングで初登場1位を記録した。では、ここ日本では誰が再評価されるべきなのか? 私の独断と偏見で選ぶ、伝説的な3名のフォークミュージシャンを紹介しよう。


■斉藤哲夫/元祖J-POP・過小評価されている若き哲学者

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画像は「バイバイ グッドバイ サラバイ」(Sony Music Direct)から

 斉藤哲夫。もし『日本で過小評価されているミュージシャン』の企画があったら、必ずや、彼の名前が挙がるだろう。当時、まだ音楽として未成熟な部分が多くあったフォークソングの中でも、とり分けメロディーに重点をおいて作られていた、まさに元祖J-POPともいえる斉藤哲夫のアルバムはどれも秀逸だ。オススメのアルバムは小田和正に衝撃を与えたとも言われている名曲『悩み多き者よ』が収録された『君は英雄なんかじゃない』(72年)や、『バイバイグッドバイサラバイ』(73年)、『グッド・タイム・ミュージック』(74年)、『僕の古い友達』(75年)など。ライブも素晴らしく、鳥肌の立つ演奏は必見だ。一時期は体調を崩していたが、現在もライブ活動を続けている。

 実は彼は、筆者が生まれて初めて観たライブの人物でもある。当時14歳だった私は大盛り上がりの会場で熱心にアンコールを要求していた。しかし、アンコールをすることになったはずが、突然「時間の関係上できない」とスタッフがステージ上で説明。そのまま幕が閉じてしまったのだ。この悲しい出来事は今でも克明に覚えている。だけど、人生って不思議…。10年前のある日、知人の漫画家に誘われて某パーティーに行くと、そこに斉藤哲夫が…。2次会で「初めて行ったライブが斉藤さんでした」と告白。さらに「アンコールをしたのに、断念して帰ってしまったのが悲しかったです」と告げると、彼は黙って、店内にあったギターを持ってきて、名曲『吉祥寺』を歌ってくれた。いやぁ~、鳥肌が立った! 

■西岡恭蔵/矢沢永吉の最重要人物

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画像は「Farewell Song-Memorial Edition-」(ミディ)から

 ある時期、筆者は年末になると必ず出向くライブが2つあった。そのひとつが矢沢永吉のライブだ。では、この矢沢の名曲に数多くの歌詞を提供している最重要人物は誰なのだろう。それが、フォークシンガーの西岡恭蔵(満50歳没)だ。有名どころでは矢沢作曲、西岡作詞の「トラベリン・バス」は今でも多くのファンの間で愛されている名曲だ。

 西岡は71年、フォークグループ「ザ・ディラン」「ザ・ディランⅡ」で活動後、72年にソロデビュー。代表曲には『プカプカ』『サーカスにはピエロが』がある。クリスマスが好きな彼は、クリスマスソングを12曲以上制作してアルバムにすると意気込んでいたが、10曲目を作った地点で、帰らぬ人となった…。しかし、盟友である、フォークシンガー大塚まさじの尽力によって、03年『X’mas Song-At.Banana Hall 1997』が発売された。

 ちなみに、名曲『プカプカ』は現在、多くの役者、歌手たちに歌い継がれているが、もともとは、新宿ゴールデン街や花園一番街などにたむろする、役者や演劇関係者、小説家、編集者たちの間で話題となり世間に知れ渡ったのだそうだ。

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