毛皮をもつイルカ?が漂着!得体の知れない生物の死骸に科学者も困惑!!=樺太

 ロシア極東、北海道のすぐ北に位置する大きな島、サハリン(日本名:樺太)。日露戦争後の「ポーツマス条約」によって北緯50度線を境に南北に分割され、南半分は1945年まで大日本帝国の支配下にあったが、現在は島全体がロシアの支配下にある。

 石油・天然ガス・石炭などの資源、そして豊かな漁場に恵まれたこの島で今、得体の知れない不思議な生物の死骸が発見されたとして話題になっているという。先月30日、ロシア紙「The Siberian Times」が報じたところによると、謎の死骸が漂着したのは、サハリン西部シャフチョルスク空港近くの海岸だ。

毛皮をもつイルカ?が漂着!得体の知れない生物の死骸に科学者も困惑!!=樺太の画像1画像は「The Siberian Times」より引用

 大きく長い胴体はボロボロに朽ち果て、ところどころ内臓や骨が露出している。鳥のように長いクチバシを持っているが、異様なのは尻尾の周りだ。なんと、フサフサの毛で覆われているではないか!! この生物は一体……!?

 地元住民が死骸の様子を撮影してSNSに投稿すると、複数のメディアによって取り上げられ、さまざまな憶測が飛び交う事態へと発展。胴体とクチバシの特徴から、迷子になったガンジスカワイルカ(淡水に生息するイルカの一種)ではないかという声も上がっている。

 しかし、カワイルカが海水を泳ぐとは考えられない上、人間の2倍はあろうかという巨体、そして何よりも尻尾周りの毛について説明することができない。サハリン州の漁業海洋研究所に所属する専門家、ニコライ・キム氏は次のように語っている。

「頭部の形から察するに、これは明らかに大きなイルカです。肌の特徴から見て、珍しい種類なのかもしれません」
「暖流に乗って北上してきた可能性が高いでしょう。ここでは熱帯や亜熱帯に生息する動物がしばしば確認されていますから。そして彼らは、温度の低い環境のせいで死んでしまうのです」
「しかし、この毛……。毛皮をもつイルカなどいないはずですが」

 どうやら、海洋学者でさえも正体の特定には至っていないようだ。ちなみに、毛皮をもつ伝説の魚である「毛皮マス」の場合、毛のように見えているのは「水カビ病」の症状ではないかとする説もある。今回の死骸にも、何らかのカビが生えていた可能性がありそうだが……。果たして真相はいかに!?
(編集部)


参考:「The Siberian Times」、「The Daily Mail」、ほか

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