>  >  > 異常快楽に目覚めた戦後の連続殺人鬼

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深笛義也

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連続殺人

――日本で実際に起きたショッキングな事件、オカルト事件、B級事件、未解決事件など、前代未聞の【怪事件】をノンフィクションライターが隔週で紹介する…!

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画像は、Philipp /Dark Woman FromFlickr CC BY 2.0

 古今東西、三角関係のもつれから殺人にいたるケースは多い。最近では、ゲイの間の三角関係から殺人事件に至ったケースもあった。これら三角関係のもつれが引き起こす殺人には、およそ3つのパターンがある。

ひとつ、恋敵となっている同性を殺す
ふたつ、自分を弄んだという恨みで、異性を殺す
みっつ、男女が共謀して、残りの1人を殺す

 ……だが過去には、このどれにも当てはまらないケースがあった。2人の女性と関係していた男性が、2人とも殺してしまったのだ。それが昭和の連続殺人鬼・栗田源蔵だ。


■世にも奇妙な三角関係殺人事件

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栗田源蔵

 昭和22年。栗田は大正15年生まれであるから、当時20歳すぎくらいだった。彼がつきあっていた女性のひとりは、24歳のマサ子。以前はダンスホールでダンサーをしていたが、当時はヤミ米屋をしており、同じくヤミ米屋として働いていた栗田と知り合った。もうひとりは、17歳のキミ子。女スリ上がりで、やはりヤミ米屋だった。

 ここで「ヤミ米屋」とは何かを説明する必要があるだろう。戦後間もないこの時期、食糧管理法によって、米は配給されていた。だが、法律であるから守らなければならないとして、配給された米だけを食べていた山口良忠という判事が餓死するなど、それは生きていくのに十分な量ではなかった。生きていくためには、違法であっても配給米量以上の米、つまり「ヤミ米」が必要だったのだ。ヤミ米屋は儲かる商売だった。

 栗田は2人の女を操りながら、楽しむ気でいたため、二股を隠すことはしなかった。だから、マサ子とキミ子はお互いのことを知っていた。マサ子は、自分よりも7つも若いキミ子に対して嫉妬心を燃やしていた。

 そのことが煩わしくなった栗田は、熱海にマサ子を連れ出した。海の見える山の上で愛撫しながら、彼女のスカートを締めていたバンドで、首を絞めて殺したのだ。

 その翌日、熱海の海岸近くの松林で、栗田はキミ子と酒を呑んでいた。キミ子はマサ子の身を案じた。

「ね、マサ子はどこにいるの。ひょっとしたら、いないんじゃないの? この世にね」
「どういうわけだ?」
「あんた、殺したのと違うの」
「バカを言え」

 栗田は女の勘の鋭さに恐ろしくなった。この女は警察に知らせるかもしれない――。

 話題を変えていつもの親密な雰囲気を作り出した栗田は、キミ子を愛撫した。そして、持っていた大風呂敷で彼女の首を絞めたのだ。

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