>  > 福島第1原発最前線 作業員の“特攻”

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【東京から二〇〇キロの最前線(ゾーン)から/福島第一原発戦記第三回 死体写真家・福島第一原発作業員 釣崎清隆】

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 少し前の出来事になるが、四月二十二日午前、首相官邸の屋上にドローンが落下しているのが発見された。機体には液体の入った容器が積載されており、その液体からはなんと微量の放射性同位体のセシウム134と同137が検出された。線量自体は毎時一マイクロシーベルト程度と全く健康に影響の出ないレベルであるが、不用意に官邸の頭頂を犯された衝撃は計り知れず国家の威信を揺さぶった。


■原子力紛争中にもかかわらず隙だらけの日本

 事件はあからさまに暗示的だった。たとえば機体を福島第1原発の原子炉建屋カバー上に落とすことも造作ないことだ。放射線レベルが同じ汚染水などは建屋に近付くまでもなく、管理区域内にすら侵入せずとも容易に入手できる。にもかかわらずいまだおぼろげにしか結んでいない比喩的像としての「原子力紛争」において、日本国民に明確なテロの恐怖を印象付けることができる。なにも頑丈な原子炉格納容器の破壊を試みるような気が遠くなる困難に挑戦する必要はなく、建屋周辺の遊覧でエレクトリックアイがとらえる映像をネットに生中継するだけで丸裸の巨大国家機密を外敵に晒し、いきなり祖国を窮地へ陥れることが可能だ。マスコミが微に細に入り取材したドキュメンタリー番組でも厳重にメディア露出を禁じられている各搬入口の情報はテロリストが喉から手が出るほど欲しいに違いなく、軍事的配慮に全く欠いて、全国どこの健在な原発施設よりも安全保障上の問題を恒常的に棚上げし、その呆れる無防備度は外見の破壊イメージが想起させるような要塞ではないという事実が白日の下に明らかにされる国家的恥辱を味わうことになる。

 安全保障的動機を優先させるならば、さっさとすべての原子炉を石棺にすべきだった。チェルノブイリを迷わず「核戦争」と位置付けて作戦遂行したソ連は狭小な選択肢の限界という都合もあり実際にそうした。

 だが、我々は平和主義的動機から、事故現場を人類に開かれた、壮大で崇高な実験としての人類文明の挑戦に供し聖地化することを選んだ。故に紛争は複雑な様相を呈し、なにより国難を天文学的に長期化させてしまった。つまり半ば無自覚に、あまりにも巨大な開口部をぱっくり開けたまま放置し、神話上の儀式のように荘重な遅々とした戦いを挑むという悲劇的英雄に相応しい重い十字架を民族として背負う甘さと引き換えに、祖国を重大な危険に晒し続ける運命的矛盾に見舞われる事態となったのだ。

コメント

1:匿名2015年7月28日 23:06 | 返信

何だか読みづらい文章だな

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