北朝鮮へ渡って40年以上のよど号犯が暮らす「日本人村」の日常とは?
以前、椎野さんに「よど号メンバーとのメールのやり取りは、北朝鮮側に検閲されているのではないか?」と尋ねたことがあるが、答えは「そうは思わない」というものだった。メールはリアルタイムでやり取りが可能で、北朝鮮側が内容を検閲している様子はうかがえないという。
さらに「たまにメールの送受信に40分くらいかかることもありますが、それも監視しているというより、設備の問題ではないでしょうか。リアルタイムで彼らを監視するほど、向うの人も暇じゃないと思いますよ」とも椎野さんは言う。筆者も日本から北朝鮮の「日本人村」に電話をかけたが、驚くほどあっさりとつながり、盗聴されている際に聞こえるとされる雑音や独特の「コツコツ」という音は聞こえなかった。椎野さんは「よど号メンバーは40年以上を北朝鮮で暮らし、当局からの信頼を得ているのだろう」と説明する。
今、よど号メンバーは、2台の車を持ち、ピョンヤン市内を自由に走り回っている。北朝鮮側の信頼を得て、日本から想像するよりも自由な暮らしをしているよど号メンバー。しかし、現在も日本への帰国を望み続けているのである。
(文=匿名事件記者)
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