>  > フジテレビ、“ヤラセ”問題めぐる訴訟

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深笛義也

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thinkstockより

 フジテレビや産経新聞を擁するメディア・コングロマリットであり、報道機関でありながらあまりにも恥ずかしいヤラセ疑惑にまみれた株主総会を毎年開いてきた、フジ・メディア・ホールディングス(フジMH)。その頂点で独裁者として君臨してきたのが日枝久会長だが、いよいよ追い詰められつつある。

 フジMH株主の松沢弘氏と山口三尊氏は、本年6月25日に開催された株主総会に関して、決議の取り消しを求めて9月24日、東京地裁に提訴した。具体的に取り消しが求められているのは、以下の決議だ。

日枝久ら16名を取締役に選任する決議

 日枝会長をはじめ取締役らに、その座から降りろと迫っているのだ。

 この「疑惑の決議」が行われた全貌をお伝えしよう――。


■悪夢再び「疑惑の株主総会」
 
 社員(従業員)株主とおぼしき者が多数発言し、一般株主の発言の機会を奪うのはいつものことだが、今年の株主総会はさらに酷いものであった。

●株主総会現場

 当日参加したのは、1605人の株主。そのうち質問ができたのは、わずか16人。その半数以上である9人が、社員株主であると推察されている。

 当日、フジの事業の中核である「放送」「映像」「音楽」「広告」事業などが減収したことで、一般株主からは厳しい批判の声が上がった。すると、すぐさま社員株主であると思われる者たちが「お台場カジノ計画」「インターネットでの動画配信」など会社側に有利な答弁を引き出す質問をし始めた。これに対し、一般株主もまだまだ質問をしようと多くの者が手を挙げる。しかしその時、1人の男性が「動議!」の声を上げた。日枝議長に指名されて、マイクの前に立った「つちだ」と名乗る男性だ。そしてこう言った。

「議論は尽くされたと思いますので、採決に移るべきではないでしょうか」

 日枝議長はこの動議を採用し、会場からの拍手を求めた。これが、いつも繰り返されてきた「茶番」である。会場を見渡してみると、拍手している者はまばらで、そのほとんどが社員株主のようだ。その数、全体の約8分の1。それでも約200人であるから、それなりの音として響く。もちろんこれは賛成多数として認められ、日枝議長はこの日の質問を打ち切った。

 そう、この日の株主総会は、これとまったく同じ方式で、一般株主からの議長不信任動議など自分に不利な議論に関しては日枝議長はすべて反対し、会場からの拍手だけで「否決」に持ち込んだのだ。

 実は、これと同様の社員株主による打ち切り動議は、2005年の株主総会でも行われている。この時、当時のフジの顧問弁護士であった鳥飼重和氏は、日枝氏らに対して、次のような意見を出していた。

「質疑打ち切りの動議を出したのは、社員株主のように見えた、ということです。これが本当であれば、会社が意図的に一般株主の発言の機会を奪ったということになりかねません。そういうことが真実だとなれば、決議取消事由に該当する可能性が高く、前代未聞の会社不祥事となります」

 その翌年から昨年までは、社員株主による質疑打ち切り動議は行われていない。日枝氏も、その違法性を認識していたのだろう。

 では、なぜその禁じ手を今年の株主総会では行ったのか? 

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