>  >  > 死んだ胎児が父親に!? 遺伝子キメラ化の謎

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 もしも遺伝子検査によって子どもの父親が別の男だと判明したら、多くの人は妻の不倫を疑うだろう。ほとんどの場合は正しいかもしれないが、極稀にそのような事実がないにもかかわらず、子どもの生物学的父親が別の男になってしまうケースがあるという。では、なぜこのような事態が起きるのか、そして生物学的父親は一体誰になるのか――? 詳細についてお伝えしよう。

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イメージ画像:「Thinkstock」より

■赤ちゃんと血液型がマッチしない!!

 今月26日、米「BuzzFeed」をはじめとする複数の海外メディアが報じたところによると、まさに前述のケースが米国ワシントン州で起きていた。2014年6月、匿名の夫婦のもとに1人の健康な男の赤ちゃんが誕生した。しかし赤ちゃんの血液型を知った時、夫婦の喜びは一瞬にして困惑に変わる。なんと、赤ちゃんの血液型が両親の血液型とマッチしなかったのだ。

 人工授精による妊娠だったため、夫婦はまず病院で精子が取り違えられた可能性を疑ったが、そのような事実はない。そして答えを求めるため、スタンフォード大学の遺伝学者であるバリー・スター博士のもとへとやって来た。

「当たり前ですが、ご両親は本当に参っている様子でした」(スター博士)

 そこで博士は、生まれた赤ちゃんの遺伝子を詳しく検査した。すると、赤ちゃんの生物学的父親と夫は親族であることが判明する。そして、ますます混乱する夫婦を前に、博士はこれが極めて珍しい「マイクロキメリズム」が起きた結果であることを確信するのだった。


■驚愕!! 「マイクロキメリズム」の不思議

 通常、人間は父と母の両者から受け継いだ2セットのDNAを持っている(「二倍体」)。ところが、過去にトカナでも報じているが「マイクロキメリズム」という現象では、細胞核に由来の異なる遺伝子まで含まれることになり(つまり2セット以上のDNAを受け継ぐことになり)、その後も体内に定着し続ける。マイクロキメリズムによって両親以外に由来するDNAを得た人々(キメラ)は、ムラのある肌の色や、左右で異なる色をした目、時には性器を2つ持って生まれてくるなどの外見的特徴を示すことさえある。これまでに世界で100例ほどしか報告されていないマイクロキメリズムだが、輸血や臓器移植、母親とその胎児の間で起こることが知られており、実際に判明していないだけで発生頻度は高いのではないかとの指摘もある。また、程度の差こそあれ、新生児の8人に1人の体内で何らかのマイクロキメリズムが起きていると考える専門家もいるようだ。

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