>  > 人間への恨みが爆発!“野獣”と化した犬250匹が…

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鶴見菜美子

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※イメージ画像:『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』公式サイトより

 昨年のカンヌ国際映画祭を揺るがせた衝撃作『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』。それは、階級主義や理不尽な抑圧がはびこる現代社会に一石を投じる、新感覚の社会派ホラーだった。

 雑種犬に重税を課すという悪法が施行されたある街を舞台に、飼い主に捨てられた犬たちが人間に反旗を翻すさまを描いた本作。メガホンを執ったのは、2000年に長編映画デビューして以降、数々の映画賞を受賞しているハンガリー人のコーネル・ムンドルッツォ監督。日本公開されるのは本作が初めてだが、気鋭の映画監督は過去にもカンヌ国際映画祭に出品しており、昨年は本作で「ある視点」部門グランプリと、もっとも優秀な演技を披露した犬を称えるパルムドッグ賞をダブル受賞した。

 そんなコーネル監督が生み出した傑作は、鳥の大群が人間を攻撃する、アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作『鳥』、人喰いザメが猛威を振るう、スティーヴン・スピルバーグ監督による『ジョーズ』などと同じジャンルの“アニマル・パニックムービー”と当初は思われていた。しかし、人間が動物に襲われるハラハラドキドキ感を楽しむエンターテインメント作品とは一線を画していることは、徐々に明らかとなる。

 冒頭で描かれるのは、13歳の少女リリ(ジョーフィア・プショッタ)と飼い犬ハーゲンの微笑ましい姿。リリが演奏するトランペットの音色で眠りについたり、あとを追って駆けたり、ペットしてのハーゲンは非常に愛くるしく、さながら“少女と犬の愛情物語”を観ているよう。

 ところが、図らずもリリがハーゲンを手放してしまってからトーンが変わる。街をさまよい、野犬狩りに遭い、なんとも切ない眼差しを向けるハーゲンは、やがてドッグトレーナーに売られ、厳しい訓練を経て闘犬へと変貌する。鋭い歯を剥き出し、うなり声を上げ、相手に致命傷を与えるまで噛みつく姿は“獣”そのもの。そんな、人間に都合よく扱われるハーゲンの姿に胸が締めつけられる思いは隠せない。そして、野獣と化したハーゲン率いる虐げられた250匹の犬たちが、人間に復讐するために疾走する圧巻のクライマックスを迎える。

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