>  > 吉永小百合が「戦前のよう」と危機感

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『母と暮らせば』公式サイトより

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】

 今日12月12日、山田洋次監督作品『母と暮せば』が公開された。長崎への原爆投下で即死してしまった大学生・浩二役に嵐の二宮和也、幽霊となって現れるその息子との幸福な時間を過ごす母親役を吉永小百合が演じるという豪華なキャスト、そして戦後70年という節目を締めくくるにふさわしい作品だとして、注目を集めている。

 原爆を、戦争を風化させてはいけない──『母と暮せば』は、そんな思いが詰まった作品といえるが、そこには当然、“現在”への危機感も内包されている。

「戦後ではなく戦前のようなニュースを見て、言葉を失います。それでも発信していかなければいけない気持ちがあります。世の中が不穏な時代を迎えつつあるような気がする中で、それでも希望があると私は思いたい」

 このように語っているのは、主演の吉永小百合だ。ご存じの通り吉永といえば、映画関係者らでつくる「映画人九条の会」の賛同者として安保法制に反対の声を上げていた女優のひとり。この発言が象徴的なように、現在発売中の「SWITCH」(スイッチ・パブリッシング)で吉永は、戦争がもたらす悲劇を語る一方で、現在が戦前のような状態になりつつあることを危惧している。

 吉永は、本作で山田洋次監督が何を伝えようとしているのかを、このように話す。

「死とはどういうことか、生とはどういうことか。山田監督のとても大きなメッセージのような気がします。人は生を全うすることで死を選びとることができる。原爆はその生を一瞬で死と化してしまいます」
「長崎への原爆投下によって浩二のいた長崎医科大学では九百人近い人が、長崎全体では七万人以上の人が即死し、被爆で十四万人以上の方が亡くなった。でも数ではなく一人ひとりにさまざまな人生があることをこの映画は教えてくれているように思うのです。それが母と息子の物語となる。被爆からの三年間がどうだったのか。子を失った母親がどんなに辛いか。戦争の悲惨さとはそういうことなんだよと、山田監督は伝えたいと思ってらっしゃると思うのです」

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