>  >  > 星野源の最新アルバムが下ネタだらけ

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星野源『働く男』(文藝春秋)

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】

 この年末年始は、『MUSIC STATION SUPER LIVE 2015』(テレビ朝日系)、『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)などの大型音楽番組のみならず、ついに『第66回NHK紅白歌合戦』(NHK)への出演まで果たしてしまった星野源。10年来の付き合いがあるバナナマンとともに、くも膜下出血からの復活劇を語った後に歌われた「SUN」はファンに感動を呼んだ。

 昨年は著書『働く男』(文藝春秋)が文庫化され、さらにテレビドラマ「コウノドリ」(TBS系)での演技も高評価を受ける。星野源にとって2015年は、まさに「絶好調」の年となった。

 12月に発売したアルバム『YELLOW DANCER』は初週売り上げ13万枚以上を超えるセールスを記録し、オリコン週間アルバムチャート1位を獲得。また、良かったのはセールスだけではない。プリンスやマイケル・ジャクソンやディアンジェロなどのブラックミュージックの空気感を下地にしながらも、単なる洋楽のコピーにならず、それらの素養をJ-POP的構造のなかに落とし込んだ音楽性は評論家からも高い評価を得た。アルバムリリース時に「ミュージック・マガジン」(ミュージック・マガジン)、「MUSICA」(FACT)、「ロッキング・オン・ジャパン」(ロッキング・オン)といった主要な音楽専門誌の表紙を独占したことからも、その評価と注目度の高さがうかがえるだろう。

 このように、今や「オシャレ音楽」の旗手、そして全サブカル女子の憧れの的となっている星野源だが、その一方で、このアーティストには全く別の顔がある。それは、「下ネタ」大好きキャラだ。

 彼の「下ネタ」好きはファンの間では周知の話で、『星野源雑談集1』(マガジンハウス)でも、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「AVサミット」回への出演をプロデューサーに直訴したことや、葬式などの「不謹慎な場でムラムラする」と意外な性癖を明かすなどしている。

 しかし、12月12日に出演した『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)では、これまでとは少し趣の違う下ネタ発言が飛び出した。なんと、ファンのサブカル女子たちが日々うっとりして聴いているであろう自身の曲の歌詞にまで、実は下ネタの暗喩が散りばめられていると告白したのだ。

 例えば、最新アルバムに収録されている「桜の森」という楽曲について彼はこう語る。

〈まず歌詞がスケベですよね。「あそこの森の」っていうのがもうダメです(笑)〉
〈「僕はただ見ている」というサビなんですけど、なんて言うか、イメージとしては上に乗ってくれている時の女の子を見ているみたいなイメージです〉

 アメリカのソウルやR&Bなどの歌詞は、うっとりするようなその音楽とは裏腹に、実はよく聴いてみると露骨にセックスのことを歌っていたりして、日本人が歌詞の対訳を読むと途端に笑うしかなくなってしまうようなことが多い。そこで星野は、本場のブラックミュージックと同じく歌の内容はセックスに関することなのだけれども、アメリカの様式をそのまま直輸入するのではなく、日本人の美意識にも合うように隠喩のかたちで文学的に書いてみたのだと言う。

〈なんて言うか官能的な日本文学ってあるじゃないですか。あの感じをちょっとディスコクラシックというか、ソウルミュージックとかけ合わせてみたいなと〉
〈やっぱりブラック的なスケベとジャパニーズスケベっていうのはまたぜんぜん違うんですよね。やっぱり俺たちがグッと来るのはジャパニーズスケベなのではないかなと〉

 前述の「あそこの森」や「僕はただ見ている」の他にも、この曲には「花びらに変わる 君をただ見つめているよ」「君もその他も 胸を開け 足を開け 踊るならば」といった歌詞もある。これなども、おそらくセックスに関するメタファーなのだろう。言われてみればなるほどと思うが、言われなければこのメタファーには誰も気づかない。同曲をうっとりと聴いていた女子からすると驚くばかりの発言である。

 しかし、そのようにセックスのメタファーが織り込まれた曲は「桜の森」だけではない。同じく最新アルバムに収録されている「Snow Men」に関してはこんな解説をしているのである。

〈歌詞も「君の中を泳ぎながら」という、まさにこう、女の子の上を泳いでいるようなイメージから始まり、「山上を越えた」って。山上はおっぱいですよね。やっぱり。で、夕方の、カーテンが開いていて夕日が差し込んでいる中でセックスしているみたいなイメージだったんですよ〉
〈で、「胸に降り積もる光」っていうのはおっぱいに出した時のイメージですね〉
〈「君が振り返る時は ただ羽を広げさよなら」っていうのは、イッてしまった後の賢者感のもう早くさよならしたいっていう、あの男の最低な部分。あのどうしようもない感じの〉

 ようは「Snow Men」というタイトルも、レイモンド・ブリッグズのあの有名な絵本のキャラのことを指しているのと同時に、精液のメタファーでもあったのである。しかも、セックスした後はもうさよならしたいという、あまりにも最低過ぎる発言。ファンのサブカル女子に軽蔑されてもおかしくない告白だ。

 しかし、こうした発言は、かなり意識的に行われているフシがある。星野は以前から自分が「サブカル」「オシャレ」「草食系男子」というカテゴリーで括られることを嫌っていたし、そういう「サブカル」「オシャレ」を攻撃してきた。

 前述の『星野源雑談集1』でも、「草食系男子」と呼ばれると〈『殺す!』って怒ってたんです(笑)〉と告白してたことあるし、これは「an・an」(マガジンハウス)13年6月5日号のインタビューでは、「うがったものの見方をすることで"自分はわかってる"という選民意識を持つ、いわゆる"こじらせ系"女子が最近増えていますが...」と問いかけられると、「すげー嫌い(苦笑)」とサブカル女子たちをバッサリ切り捨てている。

 つまり、「下ネタ」「ゲス発言」も、オシャレな音楽の撒き餌に誘われてやってくる、自称「わかってる」なサブカル人間たちを蹴散らすために、あえて「男の子キャラ」を強調してみせている可能性が高い。

 まあ、こういうところが星野源の頭の良さなんだろうな、と感心していたところ、ふと思い出したのが、昨年後半に出た二階堂ふみとの交際報道。二階堂ふみといえば、セックス・ピストルズを愛聴し、ヴィヴィアン・ウエストウッドの洋服を好み、泉鏡花や室生犀星を愛読する......彼が「すげー嫌い」と切り捨てた「文化系」「サブカル」のど真ん中じゃないか。そのためか、この交際報道にはサブカル女子たちから「こじらせ系が嫌いとは何だったのか」「サブカル女子でも、若くてかわいければ、OKってこと?」と悲鳴にも似たブーイングが上がった。

 表向きはイメージの固定化を避けるためにサブカル攻撃をしていても、やっぱり恋愛となると、無意識が表出しちゃうんだろうか。

 いや、でも、二階堂って元カレの俳優・新井浩文もかなりの下ネタ好きだったし、二階堂自身も自分のことをヘンタイと公言したり、下ネタもいけるクチ。「サブカルには、コアマガジン系のサブカルと、マガジンハウス系のサブカルの2種類ある」という吉田豪の分類に照らせば、二階堂ふみは「コアマガジン系サブカル」。たぶん、源ちゃんはオシャレ系がダメなだけで、コアマガジン系はありなんだろう、ということで納得しておこう。
(新田 樹)

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