>  >  > 海賊が謎の水晶「サンストーン」でアメリカ大陸を発見

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • コメント0

 コロンブスよりはるか以前、西暦800年頃から約250年にわたってヨーロッパの歴史に大きな影響を残した海の覇者・ヴァイキング――。この時代の彼らがどのような優れた航海術を持っていたのだろうか。


■ヴァイキングは“サンストーン”を駆使していた!?

 海賊として恐れられた彼らはアイスランドやグリーンランドの発見のみならず、北アメリカまで到達していた。航海で位置を把握するために星や太陽の位置を指針にしたと考えられており、考古学者らはヴァイキングは独特の「航海日時計」を持っていたことを発見している。だが羅針盤や磁気コンパスのなかった時代、一旦雲が出て空がかげってしまうとどのようにして海を渡ったのだろうか。

 興味深いのは中世北欧の長編武勇伝の中に“サンストーン” の記述があることだ。正体の詳細な記述はないものの、ここ数十年にわたる調査でこれが何らかのナビゲーション・ツールであったことが判明している。サンストーンは特殊な水晶で、太陽光の偏光度を測ることができ、天候に左右されずに正確に目的地へたどり着くことができたという。

 サンストーンの前にまず自然光について説明すると、光は大気中で光の波長よりも小さい物体(空気中の窒素や酸素の分子)にあたることで、あらためて同じ波長の光を周囲に放出させる「散乱」を行っている。

 光には青い光や赤い光がありそれぞれの波長を持つが、光を波長の成分で分解したものをスペクトルといい、空が青いのは、青い光の方がより波長が長く強く錯乱されるためであることが19世紀の英物理学者・レイリーによって結論づけられている。

 さらに重要なのは、自然光はあらゆる方向に振動する光が混在しているが、結晶や霧、光学フィルターなどの物質を通過すると規則的な振動に変わって特定の方向に向きが変わる(偏光する)ことだ。

 ノルウェーやアイスランドの海岸線付近ではカルサイト、または氷州石(アイスランドスパー)とも呼ばれる鉱物である方解石(ほうかいせき)の産出地として知られているが、この透明なひし形の結晶体は複屈折という、向こう側が二重に見える光学的特徴を持っている。

vikingssunstones1.JPG
複屈折を示す方解石 画像は「Wikipedia」より

 例えば光線を照射しながら方解石の向きを変えてみると、ある一点でのみふたつの光の強度が同じになる。そしてちょうどその角度の時に上を向いている面が太陽の方向を指すのである(光源の位置によってその角度は変わる)。薄明かりの状態でも誤差は僅かであり、バイキングたちは太陽が隠れていてもその方向を正確に見極めることができたというのであるが……。

コメントする

お名前
コメント
画像認証
※名前は空欄でもコメントできます。
※誹謗中傷、プライバシー侵害などの違法性の高いコメントは予告なしに削除・非表示にする場合がございます。