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【ググっても出ない毒薬の手帳】~あなたの知らない毒のソコノトコロ~

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【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳 第6回、トリカブト/後編】 

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イメージ画像:「Thinkstock」より

 前回、アコニチンは代表的な神経毒で、神経の伝達阻害剤として機能するという話をしました。

 前回の話と被りますが、神経というのは、リン脂質二重膜でできた細胞膜にナトリウムチャンネルやカリウムチャンネル、ナトリウムポンプやカリウムポンプといったイオンの通り道が用意されてます。


■神経の働きを支える分極

 チャンネルというのは、イオンの流入にATP(アデノシン三リン酸)を使わないモノ、ポンプというのは名前の通り能動的にエネルギーたるATPを使ってイオンを細胞の内外に動かす部品という認識でOKです。

 そうしたチャンネルやポンプを駆使して「分極」という生命維持に必要な電位差を維持して、外界の変化や刺激に対してわれわれの体が動くように神経というネットワークが構成されているわけです。

 分極していなければ、電位差は生まれません。この微弱な電気によってわれわれ人間は、神経というネットワークを使って筋肉から内臓に至るまで全部を連結させ、それらが無意識できちんと動いてくれることで、生きているわけです。

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イメージ画像:「Thinkstock」より

 つまり、この電位が崩れると神経は情報伝達をすることができなくなるわけです。つまり、その先の組織が正常に機能しなくなって最悪の場合、死にます。故に、それらのポンプを総動員して常に維持しているくらい大事なモノであるというコトです。

 ちなみにこの分極の維持には体内の消費カロリーの3割近いエネルギーを使っているとされており、呼吸と同じで生命活動の中枢と言えるわけです。
 
 アコニチンなどの毒物はこの電位の維持を破壊することを可能とする化学物質です。それを神経毒というわけで、神経毒というのは毒物の中でも最もスマートな、破壊の美学が感じられ実に素晴らしい!! ……ってのはこの連載を読み進めていけば分かると思います(笑)

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