>  >  > 昭和のまま時間が止まった空間

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Ian McEntire

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茨城県

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 かつて、日本の主要な街道筋には、食堂などを併設したドライブインが存在し、そうした施設の多くは、いわゆる“トラック野郎”たちに愛されてきた。しかし交通網の軸がそうした街道網から高速道路主体へと移り変わると、ドライブインの利用者は激減。ドライブインは、高速道路に設けられたサービスエリアにとって代わられることとなる。

 無論、そうしたドライブインの経営者の中には、施設を人件費のかからない自販機主体のオートコーナーという業態へと変化させることで、生き残りを模索する者も現れたが、21世紀を迎えて久しい今では、そのような施設ですら希少な“過去の遺物”と化している感は否めない。

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■いつでも変わらず出迎えてくれるオートコーナー

 茨城県稲敷市にあるこの『あらいやオートコーナー』は、その名が示すように、オートコーナーの形態を今なお残す、極めて希少な昭和遺産とも言うべきスポットだ。コンクリートのたたきと木目調の壁に囲まれたその空間には、所狭しとレトロ系自販機が顔を揃え、訪れる者をいつでも暖かい光で出迎えてくれる。片隅にある「イートイン」用のものとおぼしき長机と、潰れたスナックから持ってきたような古ぼけた合皮張りの椅子が、なんとも独特な昭和感を醸し出しているようだ。

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 最近ではすっかり珍しくなったカップヌードルの自販機を観察してみると、そこには油性マジックで書いたとおぼしき「トビらおしめないとお湯は出ません」の文字が。「を」ではなく「お」と表記してあるのは、古ぼけた定食屋などでしばしば見かける「シ」と「ツ」の混同による「カシ丼」など表記と同様、ある種の「ご愛嬌」といったところだろう。PCを使って製作したPOPが中心となった今では、もはやこうした手書きの貼紙ですら、なんとも言えない愛しさを感じてしまう。

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