>  > TSUTAYA図書館問題の危うさとは

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CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社公式サイトより


【本と雑誌のニュースサイトリテラより】

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営する公共図書館、いわゆるTSUTAYA図書館がその独特の「選書」、「分類」の方法で物議を醸したことは記憶に新しい。一時ほど話題に上らなくなったが、何らかの「決着」がついたわけでもなく今後もCCCが運営する予定の図書館は全国にいくつもある状況だ。

 日本図書館協会(以下JLA)担当者はこう語る。

「CCCさんが独自分類にこだわるのはおそらく、観点分類だと分散してしまう同じテーマのものを(書架の近い場所に)集めたいという狙いからだと思います」。

 そのとおりだろう。TSUTAYA図書館が「ウリ」にしているが、その詳細が不明だった「ライフスタイル分類」について問い合わせたところ、行政などのクライアント向けに作成した資料を示す形での回答が返ってきた。以下がその概略だが、果たして得意分野の「旅行」「料理」については「周辺の情報を同じ棚に配置」する旨が謳われている。

 ライフスタイル分類には大ジャンルとして次の25の項目がある。旅行/料理/趣味・実用/住まいと暮らし/ファッション/スポーツ・アウトドア/美容・健康/アート/建築/文学・文芸書/人文/医療・看護福士/社会/自然科学/技術/産業/IT/歴史・郷土/ビジネス/語学・参考書/政治・国際/経済/法律/教育/児童書。これに書籍とは形態の異なる4つのカテゴリー(雑誌・コミック・洋書・AV資料)を加えた合計29の大項目があって、その下位に中ジャンル、小ジャンルを時代趨勢に合わせて柔軟に追加していく。

 各ジャンルの名前は「専門的な言葉ではなく、より日常利用に近い言葉に置き換えた表現」を用いて図書館に縁遠かった人にも親しみやすいよう配慮したという。特に目玉とする「旅行」と「料理」にはガイド本や料理本に加え、「そのジャンルにまつわる周辺の関連書籍についても同じ棚に配列」することで利用者の「発見性」が高まるように努め、このところマーケティング用語として注目されているセレンディピティ(思いがけないものを偶然に発見すること)の演出を狙っているようだ。

 CCC側の資料を見ると、あるテーマに関する書籍が書かれた観点によって「分散」して配架分類される欠点を「ライフスタイル分類」が克服するかのように思える。だが、前出のJLA担当者によれば、それは昔から知られていることで「従来の図書館でも現場の創意工夫でその欠点は十分に補われてきた」と話す。NDCは「標準分類法」であって規則ではないので、NDCという確固とした分類方法を基盤にしつつ、各図書館は自館の利用者の特性や利便性に合わせて独自にアレンジを施すことができる。区分ごとに需要の多い棚を充実させて入口近くに置いたり、看護系図書館などの専門図書館は専門分野だけ独自の分類で配架したりする場合もあるそうだ。

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