>  > 『殉愛』裁判で百田尚樹が自爆証言次々

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百田尚樹オフィシャルウェブサイトより

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】

 歌手でタレントのやしきたかじん氏(享年64歳)の闘病生活と、30歳以上年下の妻・さくら氏の"無償の夫婦愛"を描いた『殉愛』(百田尚樹/幻冬舎)を巡る裁判。たかじん氏の長女が名誉を傷つけられたとして幻冬舎を相手に出版差し止めなどを請求した民事訴訟の第9回口頭弁論が、昨日3月2日、東京地裁で開かれた。

 同作は、発売直後からネット上で、さくら夫人の経歴を始めとする記述の嘘やデタラメが次々と露呈し大騒動となったが、今回の公判は、作者の百田尚樹氏が初めて証人として出廷することもあり、世間の注目を集めていた。百田氏は2014年11月、ツイッターでこのように発言していた。

〈たかじん氏の娘が出版差し止め請求の裁判を起こしてきた。裁判となれば、今まで言わなかったこと、本には敢えて書かなかったいろんな証拠を、すべて法廷に提出する。一番おぞましい人間は誰か、真実はどこにあるか、すべて明らかになる。世間はびっくりするぞ。〉

 ところが、証言台に立った百田氏の口からは、そんな"敢えて書かなかった新証拠"や"一番おぞましい人間の真実"なるものは一切出てこず、むしろ、百田氏自身の"ずさんな取材"の実態ばかりが露呈したのだった──。

 被告代理人による主尋問から、百田氏はたかじん氏の長女が名誉棄損とする記述について、"誰に対する取材に基づいているのか"を証言した。20数カ所についてひとつずつ聞かれていったのだが、百田氏の答えの半分以上は、「奥さんに聞いた」。残りの箇所も、『そこまで言って委員会』の製作会社・ボーイズ代表取締役の相原康司氏、同じくAZITO代表取締役・井関猛親氏など、さくら夫人の代理人的な動きをしていた人物の名前しか出てこなかった。

 主尋問は被告の幻冬舎側代理人によるものなので、通常は、きちんとした取材をしていることを立証することが目的なのだが、百田氏は逆に、一方的な取材しかしていないことを自ら暴露してしまったのだ。

 主尋問でこれだから、反対尋問は推して知るべしだ。百田氏はたかじん氏長女の代理人から、さくら夫人が、たかじん氏の生前、「業務委託契約」を結んでいたことや、たかじん氏の死後すぐに「Office TAKAJIN」を設立していたこと、また相原氏の会社・ボーイズの取締役にも就任していたことや、たかじん氏の自宅金庫にあった2億8000万円のうち1億8000万円を自分のものだと主張したことなどを知っていながら、『殉愛』で「無償の愛」と謳ったのではないか、との質問を受けた。

 すると、百田氏は、1億8000万円については知らないと言ったものの、「業務委託契約」を結んでいたことについては「ちらっと聞いたことがある」と回答。さらに「Office TAKAJIN」設立や、相原氏の会社・ボーイズの取締役にも就任していたことを「知っていた」とあっさり認めてしまったのだ。

 さくら夫人がイタリア人男性と結婚していたことについても同様だった。百田氏は「知っていた」ことをあっさり認めたうえ、たかじん氏がさくら夫人の過去を明かすことを望んでいなかったため、『殉愛』に書かなかったと弁明した。

 たかじん氏の死後にはじめて取材した百田氏が、いったいどうやってたかじんの意思を確認できたのか。そもそも、百田氏は『殉愛』でさくら夫人が結婚していたことを書かなかったのではなく、イタリア人男性のことをわざわざ記述した上で、彼とは結婚していない、恋人でもないと書いているのだが......。

 今回の公判の最大の争点であった、"たかじんの長女側に一切取材をしないまま誹謗中傷した"という問題に関しても、百田氏は驚くべき主張をしていた。主尋問では、長女の話は本のメインではなかったから、というような言い訳をしていた百田氏だが、反対尋問では、厳しい追及に窮して「娘さんは信用できないから取材しなかった」と言い放ったのである。反論の場所をもっていない一般人に対して、そんな理由で取材しないまま一方的に誹謗中傷をしていたとは......。

 しかも、唖然としたのは、百田氏がこうしたノンフィクションの取材、執筆の方法としてはありえない行為を次々と認めながら、まったく悪びれる様子がなかったことである。それどころか、質問とは無関係な自説を長々としゃべり続け、裁判長から「簡潔におねがいします」と制されたり、あげくは、反対尋問で厳しく追及されると「全然ウソの質問して、なに言うとんのや!」「なんの関係があるんや」と激昂する始末だった。

 しかし、考えてみたら、この証人尋問、いかにも百田尚樹という作家らしいものだったといえるだろう。事実なんておかまいなし、身勝手な思い込みだけで他人を攻撃し、自分が批判をされると、逆ギレする......。百田氏はデビュー以降、ずっとこういう行動パターンを繰り返してきた。

 だが、これをまたか?と笑ってすませることができないのは、こんな男が出版界から今もベストセラー作家として重用され、政界でも安倍首相のブレーンとして憲法改正の啓蒙活動を担っているからだ。この国は本当に大丈夫なのか。
(編集部)

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