>  > 阪神若手選手も「大博打」

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【ギャンブルの“本質”に迫る ギャンブルジャーナルより】 「骨か、肉か!?」「肉です!いけます!」「そうか!じゃあ、いけ!」

 焼き肉の話ではない。今年のスローガンに「超変革」を掲げるプロ野球・阪神タイガースの話である。

 先日3日に福岡ソフトバンクホークスとのオープン戦に挑んだ阪神タイガース。1番打者を務めた緒方凌介外野手(25)はこの日、先頭打者2塁打を含めた2打数2安打と絶好調。開幕一軍への当落線上で、必死にアピールを続けていた。

 ところが迎えた第3打席、相手投手のストレートが右膝を直撃。あまりの痛さにうずくまって悶絶する緒方。しばらく立つこともできず、コーチ陣に続いて金本監督も上着を脱ぎ捨ててベンチを飛び出した。

 かつてのホークスのコーチを務め、この日のテレビ解説だった若菜嘉晴氏も「交代した方がいい」と言い切り、見ていた誰もが「これは開幕やばいかも」と思える事態......。

 やがて緒方が気力を振り絞って立ち上がる。とはいえ、さすがにフラフラだ。どうやら重傷ではないようだが、今はシーズン前のオープン戦。ここは大事を取って交代がセオリーだろう。事実、昨年までのタイガースなら、間違いなく"安全策"を選んでいたはずだ。

 しかし、歩み寄った金本監督と緒方の言葉が「超変革」を遂げつつある、今のチームの状況を集約していた。

 金本監督からは「大丈夫か?交代するか?」など"甘い言葉"は一切なく、いきなり「骨か、肉か!?」とボールが当たった場所を確認する。すると緒方も何の躊躇もなく「肉です!いけます!」と応えた。

「そうか!じゃあ、いけ!」指揮官のゴーサインにベンチで検査を受けることもなく、一塁に向かって走り出す緒方。その間、わずか10秒足らず。これで「実は大怪我でした」では笑い者だが、理論もへったくれもない博打のような一幕。それだけに"熱い"。

「こんなところで(治療のために)下がったら、交代させられる――」

 現役時代、骨折しても出場を続け連続フルイニング出場の世界記録を打ち立てた鉄人・金本監督を前に、骨折もしていないデッドボールで痛がっている場合じゃない。昨年、手術明けの影響で一軍出場がなかった緒方にとって、今はまさに人生の勝負時。今後の怪我の影響を心配している場合ではないのだろう。

 ならば、ここは迷わず"ギャンブル"――。強行出場を決心した緒方の全身からみなぎる気迫が、痛くないはずのない体を動かしているようだった。

 そして、緒方にはチームでの立ち位置の他に、今年中にもう一つ「超変革」しなければならないものがあった。

「あまりにも低すぎる......」

 緒方がそう言ってショックを受けたのは、自身が子供の頃からプレイしている人気野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』での"阪神・緒方選手"のステータスである。守備力「B」評価には納得しているそうだが、特に肩とミート力の評価には納得がいっていないようだ。

「自分はバットコントロールもいいと思う。今年はいっぱい試合に出て、正当な評価をしてもらいたい」

 現実だけでなく、"仮想空間"での出世まで目論む緒方にとって、お金をたくさんもらって大好きな「パワプロ」をより快適にプレイするために、こんなところで倒れている場合ではないのだ。なんとしても開幕一軍を掴み、人生という"ギャンブル"に打ち勝つためにも。

 未だに野球賭博騒動が拭えぬライバル巨人を尻目に、金本監督を中心に阪神タイガースの「超変革」は確実に進んでいる......そう、確信させる一幕だった。

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