2017年、ついに胎児がお腹にいる中での遺伝子治療実施へ! その方法とは?
英紙「Daily Mail」(3月10日付)は、胎児に発育の異常が見つかった場合「母体にいるうちに遺伝子治療を行う」という画期的な治療法が発表されたと伝えている。
■「子宮内胎児発育遅延」の画期的治療法
「子宮内胎児発育遅延」とは、お腹の赤ちゃんの正常な発育が、なんらかの原因により妊娠途期間で遅延もしくは停止してしまう状態を指す。ほとんどの場合、妊婦である母親の胎盤異常が原因とされているが、残念ながら治療法はまだ確立されていないのが現状だ。
これまでのところ、胎児が深刻な症状の場合は、あらゆるリスクを覚悟した上で、きわめて早期の段階で産み落とすか、体内で胎児が死亡してしまう危険を冒しながら妊娠を続行するという2つに1つの究極の選択肢しかなかった。また無事に出産できたとしても脳性まひや糖尿病、心臓病などの疾患をかかえる確率が高くなるという。
しかし、このほど、このような事態から家族を救うことを目的とした画期的な治療法が発表された。その方法とは、子宮内胎児発育遅延の胎児を持つ妊娠中の女性に遺伝子を注射するというもの。
この遺伝子は、血管の形成に関わり、血流を促進することで知られている「VEGF」と呼ばれるタンパク質をつくる。これを接種することで、お母さんと赤ちゃんとのライフラインである胎盤と子宮への血流が改善され、胎児に十分な酸素と栄養が与えられ、健康な発育が促されるというのだ。現在、ヨーロッパでは最大10人中1人の赤ちゃんになんらかの発育遅延が見つかっており、毎年1万1000名程度の妊婦に影響が出ているとされており、この治療法への関心は高まりつつある。
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