>  > 安倍が「TPP反対言ってない」と大嘘

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安倍晋三公式サイトより


【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
 またしても安倍首相がお得意の二枚舌を披露した。昨日、衆院TPP特別委で、民進党・柿沢未途議員から「かつては断固反対と言っていたTPPに活路を見出そうとしているのではないか」と質問された安倍首相は、平然とした表情で、こう言い放ったのだ。

「私自身は、TPP断固反対と言ったことは一回も、ただの一回もございませんから。まるで私が言ったかの如くのですね発言は慎んでいただきたい」

 ......言葉を失うとはこのことだ。柿沢議員は、安倍氏が自民党総裁として立ち、与党に返り咲いた2012年総選挙時の「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」という自民党ポスターを突きつけていたが、それを見ながらなお、安倍首相は「TPP反対なんて言ってない」とシラを切ったのだ。

 ご存じの通り、この総選挙で安倍総裁はTPP反対を公約に掲げ、当然ながら安倍氏自身も「TPP反対」と何回も口にしている。たとえば、2013年2月23日の記者会見でも、オバマ大統領との日米首脳会談について問われ、こう述べている。

「私からは先の衆院議員選挙で聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP交渉に、交渉参加に反対するという公約を掲げ、また自民党はそれ以外にも5つの判断基準を示し政権に復帰をした、そのことを大統領に説明をいたしました」

 また、2013年に発売した自身の著書『新しい国へ──美しい国へ 完全版』(文藝春秋)でも、このように記している。

〈御承知の通り、自民党は「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉 参加に反対」という立場をとっております。なぜなら、あらかじめ「関税ゼロ」であることを呑んでしまっては、守るべきものは守れません。「TPPは第三の黒船だ。開国しないと日本の未来はない」という感情論に流されて、現実を見失うべきではありません。(中略)今、問われているのは、交渉する上での総合力です〉

 選挙のときは、大票田だった農村へのアピールのためにTPP反対を強く打ち出していたのに、与党に返り咲いてしばらく経つと現在のようにTPP賛成へと手のひら返しをした安倍首相。このほかにも「TPP反対」と様々な場面で語っていたが、恐ろしいのはそうした事実が山のように出てくるのを知っていながら、公然と「言ってない」とウソをつけてしまう神経だ。

 実際、安倍首相は今年1月の衆院予算委員会でも、こんな大ウソをついている。

 それは、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)元副代表の蓮池透氏が、著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)で、安倍首相が実際は拉致被害者たちを北朝鮮に帰そうとしていたにもかかわらず、自分が止めたかのような嘘をついていたことを非難。この記述について、民主党(当時)の緒方林太郎議員が国会質問したところ、安倍首相はブチ切れ、「拉致問題を利用したことも、ウソをついたこともない」「私が申し上げていることが真実であることはバッジをかけて申し挙げます。私の言っていることが違っていたら、私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」と宣言した。

 だが、先日、本サイトで紹介したように、安保法に反対する議員に対して「精神鑑定を受けた方がいいんじゃないのか」と暴言を吐いた自民党所属の札幌市議・勝木勇人氏が、じつはいまから13年前にブログで"安倍氏自身が会合で話した話"として、安倍氏が拉致被害者に「とにかく一度北朝鮮に戻れ」と言ったと記述していた。つまり、安倍首相は拉致被害者を帰そうとしたことを、自ら吹聴していたのだ。

 言っていたことが違っているのだから、さっさとバッジを外して国会議員を辞めていただきたいものだが、息を吐くようにウソをつける彼が自身のウソを認めることなどないだろう。

 だが、今回の「TPP断固反対と言ったことはただの一回もございません」というウソは、投票者を愚弄する、あまりに悪質なものである。しかし問題は、この発言を追及するメディアがない、ということだ。テレビにせよ新聞にせよ、安倍首相が2012年の総選挙時、TPP反対と表明していたデータは山ほどあるはずなのに、それを掘り出すことさえせず、昨日の国会での発言すらも取り上げない。

 それは、民進党・山尾志桜里政調会長のガソリン代問題でも顕著だ。ガソリン代は安倍首相のほうが遥かに上回る金額を計上しているにもかかわらず(しかも下野時代の2012年がもっとも高い)、その問題についてはまったく触れず、山尾叩きに走っている。

 はっきり言って、マスコミがこれまで通りに報道していれば、安倍政権はすでに一回のみならず、何回も総辞職に追い込まれていたはずだ。安倍首相の二枚舌はもちろん、アベノミクスの破綻、特定秘密保護法や安保法の強引な採決、甘利明・前経済再生相の現金授受をはじめとする汚職、閣僚たちから次々飛び出す暴言・失言......。だが、マスコミがきちんと報じないために深掘りもされず、そればかりかほとんどきちんと取り上げられることもなく、問題が問題とされないまま流されていってしまう。それがいまの状況だ。

 稀代の大ウソつき総理が安泰でいられる国──。これこそが現在の日本の危機的状況を生み出している原因であり、まさに異常事態と呼ぶほかはない現状なのだ。
(水井多賀子)

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