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 天性の弁舌の才能を持っていたといわれるアドルフ・ヒトラー。大衆を扇動する類まれな才能を持ち合わせていたことに間違いはないだろうが、戦後の研究でヒトラーの演説は念入りな準備のもとに行われていたことがわかってきている。


■演説の“リハーサル”を行うヒトラー

 きわめて優れたパブリック・スピーチの技能を有していたヒトラーだったが、やはり演説の前のリハーサルには余念がなかったようだ。そして、ヒトラーが実際に演説の予行練習を行っていた写真が、最近になってネット上でも見られるようになっている。ヒトラーとしては絶対に見られたくなかったはずの写真の数々である。

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Mirror」の記事より

 これらの写真を撮影したのは、1923年からヒトラー専属のカメラマンになった写真家のハインリヒ・ホフマンである。ヒトラーの友人でもあったホフマンが撮った写真は、ヒトラーのプライベートに迫るものも多く、この写真はヒトラーが過去に行った演説の録音を再生して、その時の演説を口ずさみながら身ぶり手ぶりをシミュレートしている模様を撮影したものだということだ。

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Mirror」の記事より

 クーデター未遂事件「ミュンヘン一揆」の首謀者として1923年11月に逮捕、収監されたヒトラーだったが、裁判では持ち前の雄弁さが功を奏して、いったんは禁固5年の判決が下ったものの、1924年12月に釈放されることになった。この写真は釈放間もない頃に撮られたものだということだ。

 1年もの間身柄を拘束され、まったく政治活動ができなかったヒトラーが、過去の自身の演説の録音を聴きながら当時を振り返るとともに、早く群集の前に立ちたくてウズウズしていたのかもしれない。この時、ヒトラーは34歳。知らず知らずにオーバーアクションになっていくその姿は、ホフマンにとって絶好のシャッターチャンスだったということだろうか。

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Mirror」の記事より

 演説の“リハーサル”にしばし熱中していたヒトラーだったが、もちろんホフマンに撮られていることは承知していた。しかしこの姿は、当時のドイツ国民には絶対見せられなかったであろう。部屋でひとり悦に入っているヒトラーの姿が公開されれば、大衆の大多数は幻滅しただろうからだ。もちろんホフマンもそれをよく理解し、プライベートショットとして撮影したのだが、ヒトラーはリハーサル写真はすべて破棄するようにホフマンに命じたということだ。

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Mirror」の記事より

 ヒトラーの申し出をその場では受け入れたかたちのホフマンだったが、こうして写真が残っているということは言わずもがなということになる。ホフマンはこの写真を戦後もずっと自身のスタジオに保管していたのである。

 これらの写真は1950年代にホフマンが出版した自著に掲載されたものだ。ホフマン自身は1957年に死去しているが、2011年に同著の英語版『Hitler Was My Friend』で再び掲載されて注目を集めた。そして写真はネット上にも出回ることになり、こうして英紙「Mirror」でも紹介されることになった。今となっては“人間”ヒトラーの人となりがよく現れている写真ということになるだろうか。しかしこの写真が出回ってしまったことで、あの世でヒトラーは地団駄を踏んでいるかもしれない。


■次々明かされるヒトラーの“下半身事情”

 ヒトラーに関する話題は、これまでもトカナでいくつも扱っているが、最近になって話題になっているのがヒトラーの身体の特徴だ。医療記録にはヒトラーの睾丸が1つしかない(もうひとつは体内に埋め込まれている)症状である「停留精巣」が指摘されているのだが、それに加えて先頃、ヒトラーのペニスは非常に小さく、しかも変形していたという報告も発表されている。

 英紙「Telegraph」によれば、歴史研究家のジョナサン・メイヨーとエマ・クレイギーが、ヒトラーの2つの生殖器異常である停留精巣尿道下裂を指摘している。

 尿道下裂とはペニスの先天的形態異常で、尿の出口が陰茎の先端(亀頭先端)までとどかず、その手前にある状態のことである。そのため妊娠を目的にしたセックスが困難になり、男性側の不妊の原因のひとつにもなっている。ヒトラーに(記録の上では)子どもがいなかったのも、これらの先天的形態異常のせいではないかと考えられている。ヒトラーの性器は“二重苦”にさいなまれていたということだ。

 ヒトラーは他人に裸を見られることを極度に避けていたといわれ、恋人のエバ・ブラウンとの性交渉もきわめて少なかったと言われている一方、先のホフマンのスタジオで運命的名出会いを果たしたドイツの伝記作家のヘイケ・ゴーテメイカー氏によれば、ヒトラーとエバは幸せなセックスライフを送っていたということだ。ヒトラーの主治医がホルモン剤と覚醒剤であるアンフェタミンを処方していたため、妊娠にはいたらないにしてもセックスは可能であったというのだ。

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ヒトラーと愛人エバ 「Telegraph」の記事より

 いずれにしてもヒトラーの“威光”がますます失墜しそうな話題が続いていて、あの世のヒトラーはもはや怒り心頭だろう。
(文=仲田しんじ)

参考:「Mirror」、「Telegraph」ほか

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