>  > 凶悪犯罪者の脳内が丸わかり!心理分析

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【東京未来大学こども心理学部長・犯罪心理学者・出口保行教授インタビューシリーズ第3回】

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 人が動機形成してから犯罪行動に至るのはなぜか? また犯罪を未然に防ぐには? これらの疑問について出口教授に解説してもらった。

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画像は、Thinkstockより


■リスクとコストが高まれば犯罪は未然防止可能?

――普通だったら、殺人を犯す前に「刑務所に入ったら人生がパー」と思いとどまると思うのですが、それを突き抜けてやってしまう心理とは何なのでしょうか?

出口「以前は犯罪の説明をするのに、経済学を使ってコスパで考えていたことが多かったんです。コストというのは、これぐらいの労力でこれぐらいの結果が得られるというもの。ようはコストが小さくて得るものが大きければ、人は犯罪行動化する。つまり、こんなに苦労するのに、ちょっとしか利益が得られなかいと考えた場合は、犯罪はやらないという理論が多かったんです。

 だけど実際に犯罪者に会ってみると、コスパを考えて犯罪を犯した人はめったにいません。私が勤務していた宮城刑務所には、日本の重大犯罪者ばかりが集まっているんです。何人も人を殺したような凶悪犯罪者たちが同じ部屋で一緒に暮らしているんですよ。だけど、宮城刑務所で暴動が起きたことはありません。私も犯罪者と面接をしていて襲われたことなど一度もありません。ということは、常に犯罪者であるという人は誰もいないことになります。犯罪者がどうして社会では立て続けに犯罪を犯していたのかと言えば、『自分は社会の中で紛れている』と思うから。ようは、リスクがあまりないと思っているから、行動化してしまうんです。だけど、刑務所のなかで犯罪を起こせば、絶対に検挙されるので、リスクは100%、高い状況です。しかも、受刑期間が伸びて自分の時間を失ってしまう。もし、外で待っていてくれる家族などがいたら、『何で刑務所まで行ってそんなことしているんだ!』というふうに見放される可能性が高い。つまり、リスクもコストも高い状況のなかでは、いくら動機が形成されても行動化されないんです」


――加害者・容疑者が少年法で守られたとしても、ネットで個人情報がさらされるということが毎回行われていますが、これはリスクとして犯罪の抑止力になっているでしょうか?

出口良いか悪いかは別にしても、ネットに顔がさらされるという危険性があれば抑止力にはなるでしょうね」


――犯罪を犯す人は、普段はリスクとコストがあまりないと思っている人なんですね。だけど、刑務所に入るとリスクとコストが明確になるので、抑制される。リスクとコストが高まれば犯罪未然に防止可能かというと、必ずしもそうではない?

出口「基本的にはそうです。だけど、確信犯は、リスクとコストを度外視しています。確信犯というのは、『検挙される率が高くても、これで全部失ってもいいからやり遂げる』というものです。リスクとコストが少ないと感じる人は、動機が形成されて行動化するまでがストレートなんです。動機なんて誰でも持つんです。『いつか殺ってやる』と思うことはいくらでもあるでしょう? けれど、殺らないのはリスクもコストも高いから。殺っちゃたら検挙されることは目に見えているし、家族や職を失うと思うとやらないんです。犯罪行動を考えるときにリスクが少なくてもコストが大きければ犯罪行動化されない。コストが低くても、捕まった時に失うものが大きいと思ったら動機が形成されても犯罪行動に結びつきません。つまり、犯罪者でも私達でもリスクとコストを調整して考えているんです。だけど、100ケースあれば100通りの解釈になりますし、その時によってのリスク感とコスト感が違うので、一概にこうとは言えません」

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