>  >  > クマムシ以上の最強生物がいる!? 生態学者が語る

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 国立環境研究所の外来生物研究プロジェクト・リーダーである五箇公一(ごかこういち)先生に、地球環境保護の基礎となる大きなテーマ“生物多様性”を全6回にわたり解説してもらうシリーズ第3回。今回は、宇宙に存在する生命体の可能性と、狂牛病の原因となった自己増殖するタンパク質「プリオン」の不思議について語ってもらった。

【第1回 生物多様性について
【第2回 昆虫宇宙紀元説と殺人ヒアリ


■クマムシだけではない、最強生物の色々

HimalayanRegion_3.jpg
画像は、くしゃみをするサル「The Daily Mirror」より

——生物のお話の続きです。新種というのは年間どれぐらい発見されるんですか?

五箇 目で見てわかる種だと数百種ほど。それは大型の動植物です。微生物、プランクトンを含めると1万8000種前後見つかっています。とても全部は拾いきれません。

——2015年にヒマラヤで「くしゃみザル」や「歩く」魚など新種が発見されたというニュースがありましたが。(詳しくはトカナ過去記事

五箇 そうです。ヒマラヤの陸域だけで、大きな動物も含めて211種も新発見されました。この地球上で人間の目の届く範囲はまだまだ限られています。東南アジアや中南米の熱帯雨林など、まだわからないところはたくさんあるので、これからも新種は発見されると思います。問題は環境破壊が進んでいることです。見つかる前から滅んでいる可能性もあるので、発見も管理も急がないといけない。これは生物多様性のひとつの大きなテーマです。

——たくさんの新種が発見されるなか、いまだにクマムシは最強生物という位置づけでよろしいのでしょうか?

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画像はクマムシ「Wikipedia」より

五箇 過酷な環境を乗り切るために自分の体をガードしている休眠状態だと最強です。水を抜いて乾燥してカラカラのさなぎ状態なので、叩こうが潰そうが火をあびせようが死にません。でも、普通の状態で歩いているクマムシは簡単に潰せるし、ただのムシですよ(笑)。同じように我々が専門分野としているダニクワガタナカセという種がいるんですが、真空状態で何時間でも生きられます。体が硬く、内圧と外圧の差が関係ない。肺呼吸ではなく皮膚呼吸する仲間なので真空状態でもしばらくは生きていられる。

goka0707.jpg
画像は、五箇先生が描いた「クワガタナカセ」。天皇陛下と皇后美智子さまにも献上。アメリカの記念切手の絵柄にも採用された


——クワガタナカセも宇宙空間で生きられる?

五箇 ほんのしばらくは生きていられると思います。永遠に生きることはないですが、普通に宇宙船の表面でも吸盤状の脚を使って歩けると思います。僕はクワガタナカセの遺伝子を調べるために彼らの体を潰さなきゃいけないんですが、とにかく小さい上に硬い。ガラス棒ですりつぶすんですが、なかなか潰れないので、一旦マイナス80度以下に冷却して、一気に暖かくすると体が壊れるんです。『エイリアン3』みたいな感じですね(笑)。

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